マクラーレンが来年メルセデスに戻るふたつの理由
マクラーレンは、1988年にポルシェからホンダにパワー・プラントを交換、その後、1992年までホンダの供給を受け、その後、フォードとプジョーを挟んで、1995年から2014年までメルセデスを搭載していた。
その後、再びホンダと3年間戦って、去年からルノーに鞍替えして今日に至る。
その間、1972年のエマーソン・フィティパルディ以来、ワールドチャンピオンとして君臨した。フィティパルディの後、ジェイムス・ハント、ニキ・ラウダ、アラン・プロスト、アイルト・セナ、ミカ・ハッキネン、ルイス・ハミルトンの7人が、合計12回で戴冠しているが、最後のワールドチャンピオン獲得は、2008年のルイス・ハミルトン、その前が1998年のミカ・ハッキネンまで遡らなければならない。優勝は2012年最終戦のブラジルで途絶えたままだ。
その時のパワーユニットは、いずれもメルセデス。そのポテンシャルを取り戻すために、今年からチームに招かれたアンドレアス・ゼイドルは、先輩のロス・ブロウンのアドバイスで、大型風洞を建設したのに続いて、パワーユニットを強化するために、メルセデスと交渉した。
マクラーレンが最強チームへの道を着々とたどっているのだが、もう一つ、メルセデスを選んだ理由があった。若手育成だ。
メルセデスAMG F1の公式ツイッターに、ニック・デ・ブリース(ART)のF2でタイトルを獲得祝いを投稿した。ニック・デ・ブリースは、メルセデスの育成ドライバーであり、ARTも強いつながりがあることはいうまでもない。
全方位でポテンシャルアップを展開中のマクラーレンは、ザック・ブラウンだけでは到達できない高見に向かって進撃中だ。
[STINGER]山口正己
Photo by McLaren / MERCEDES