勝田貴元さらに進化して凱旋ラリーへ!!
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムのサポートを受ける勝田貴元は、ヤリスWRCでのWRC出場2戦目のスペインで大きな成長を遂げた。
勝田は、10月24日(木)から27日(日)にかけて開催されたシーズン唯一のグラベルとターマックが混在するWRC第13戦ラリー・スペインにヤリスWRCで参戦。勝田にとって2戦目のWRカーでのチャレンジは、総合39位で完走した。
グラベルとターマックの両路面での経験を積むことができた勝田は、
WRCのグラベルステージをヤリスWRCで走るのは今回が初めて。
週の前半にカタルーニャ地方の広い範囲で降った大量の雨でコンディションが悪化したグラベルステージを総合9位でクリア。ターマック仕様で挑んだ土曜日は、朝のステージでギヤボックスにトラブル発生、大きく遅れをとったが、午後は修復なったクルマでスピードと経験値を高め、最終日の日曜日は4本のターマックステージで高いパフォーマンスを発揮して完走した。
勝田貴元
「今回は、本当に貴重な経験になりました。金曜日朝のステージはとても難しい路面コンディションで、想像していた以上に滑りやすい状態でしたので、まずは走り抜くことに集中しまし、午後はドライビングを改善し、クルマの性能をもっと引き出すようにしたところ良いタイムが出たので、満足しました」
「土曜日は、前日とまったく違うターマックでの戦いとなりましたが、朝、最初のステージでクルマにトラブルが起きてしまいましたが、ステージを走り切ることができ、サービスでクルマを完璧に直し、午後はステージを初めてフルスピードで走ったので決して簡単ではありませんでしたが、ドイツの時よりも速いペースで走ることができました」
「日曜日はとても良いステージで、より大きな自信を持って走れました。最後までラリーを走り切り、多くの経験を蓄積できたので良かったと思います。良いタイムを出せたステージも、少しミスをしたステージも、将来に向けて意味を持つ経験になりました」
ヤルッコ・ミエッティネン・インストラクター
「今回のスペインで、タカのドライビングはさらに進化しました。初参加のドイツと比べて、1kmあたり0.5秒以上速くなり、特に金曜日のグラベルステージは本当に良い走りだったと思います」
「各ステージのセクタータイムは、WRCのトップドライバーに匹敵するスピードの区間もありました。もちろん、ステージ全体を通して高いパフォーマンスを発揮する力はまだありませんが、今後経験を積み重ねれば、世界最高のドライバーたちと対等に戦えるようになるでしょう」
「注意深く走らなければならない難しい区間がいくつかありましたが、タカは一貫性のある走りでミスなく高いレベルでヤリスWRCを操り続け、我々の今シーズンの目標のひとつをクリア。本当に良くやったと思います」
■ラリー・スペインン結果
1. ティエリー・ヌービル ヒュンダイi20クーペWRC 3時間07分39秒6
2. オット・タナック トヨタ・ヤリスWRC +17.2秒
3. ダニ・ソルド ヒュンダイi20クーペWRC +17.6秒
4. セズハチャン・ローブ ヒュンダイi20クーペWRC +53.9秒
5. ヤリ-マテ・ラトバラ トヨタ・ヤリスWRC +1分00.2秒
39. 勝田貴元 トヨタ・ヤリスWRC +55分56.8秒
勝田は、このラリーの後に帰国し、11月9日(土)-10日(日)に中部地方で開催される「セントラルラリー愛知・岐阜2019」にヤリスWRCで参戦する。このラリーは、2020年のWRC日本ラウンドのテストラリーとして位置づけられ、多くの国内トップドライバーが参戦する予定。勝田にとって約3年ぶりの国内ラリー出場となる。
[STINGER]山口正己
photo by GAZOO RACING