マラヤ氏の桁違いの人生
2012年にトヨタF1のスポンサーのキングフィッシャー・グループのドンとしてトヨタF1の発表会に登場したV.J.マラヤ。壇上に並んだトヨタの副社長が実直そうなグレーのスーツに黒いネクタイだったのに対して、銀ぎらの指輪とピンクのシャツとネクタイという派手な出で立ちだったのを思い出す。
その直後に10億ドルの融資未払いで、グループのひとつであるキングフィッシャー航空を巡る金融不正行為と詐欺容疑を問われて窮地に追い込まれていた。やがてマラヤは、2017年にイギリスで逮捕されたが、その後保釈されたものの資産は凍結され、特別裁判所は、約14億ドル(邦貨約1兆5000億円)の資産の差し押さえを命じていた。
当初は不正を真っ向から否定して、インドの銀行の「銀行に返済する意志なし」という主張だったが、最近これを覆し、ローンの返済を申請したという。
この桁違いの金額は、インドという13億5千万人という、中国をもうすぐ抜いて世界一になるといわれる巨大な人口と、図抜けた知能レベルの高さだからこそ!? 経済的な側面から、マラヤには、改めてインドの底力を認識させられる。
[STINGER]山口正己
photo by [STINGER]