アロンソの動きが気になる理由
2020年F1シーズンがどうなるかわからない段階ながら、すでに2021年の動きが気になっている。話題の中心はフェルナンド・アロンソ。2021年に、チャンピオンを二度獲得したルノーF1チームに復帰すると言われる。
何故、フェルナンド・アロンソのことがそんなに気になるのかといえば、フェルナンド・アロンソの才能が別格だからだ。
ブリヂストンからフェラーリに移籍してF1のエンジニアとしてアロンソを直近で観察した浜島裕英さんは、フェルナンド・アロンソのポテンシャルを、7度世界タイトルを奪ったミハエル・シューマッハ以上、と評価した。
「日本で星野一義さん、F1でミハエル・シューマッハさんと仕事をしましたが、二人は、別格のドライバーでした」
「たとえば、新しいタイヤのテストをすると、普通は、何周か言わばウォームアップを行ないますが、二人は、いきなりグラプリモード(極限レベルの走り)で走り始めます」
「さらに、二人は、こちらが集めたいデータを察知して、質問する前に、的確なフィードバックをしてくれます。テストはできる限り効率よくやりたいので、これは大変助かります」
「ただ、この二人が最高だと思っていましたが、アロンソと付き合って驚きました。アロンソはさらに上でした」
アロンソ本人は、世界三大レースのモナコGP、ルマン24時間、インディ500の制覇が目標であり、残るインディ500制覇がメインテーマのはずだが、そのドライビングだけではない能力を埋めておくのはもったいないと考えるのは、浜島さんだけでなく、多くのF1関係者の思うところだ。
問題は、アロンソの気まぐれ。マクラーレン時代は、チームがハミルトンに肩入れしたとして、1年でチームを飛び出すなど、身勝手な行動も目立つが、ルノー陣営はもちろん、元フェラーリのチーム代表だったステファノ・ドメニカリなども、それを計算に入れた上でアロンソを絶賛している。
[STINGER]山口正己
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