シンガポールが中止に至った公道レースの難しさ
6月12日に「F1シンガポール航空シンガポール・グランプリ2020」の中止が正式に発表された。
当初、同時に中止が報告された日本GPと同じく、本場ヨーロッパから遠く離れたアウェイの国での開催は、関係者の移動がネックと考えられていたが、シンガポールGPが中止せざるを得なかった裏には、日本の鈴鹿とは違う理由もあった。
9月20日に予定されていたレースまで3カ月以上あるものの、移動の制限の上に、市内でのストリートレース開催に必要な会場へのアクセスや工事が禁止されているため、レースの進行がでず、ファンや関係者を混乱させないための苦汁の決断だった。
安全性を優先させるためにパンデミックの管理を目的としてシンガポール政府や様々な当局が実施する必然の制限によるいわゆる三密防止と世界的な渡航規制だけでなく、例年5月に開始されるサーキットの建設・工事に着手することができず、サーキットのインフラをレース開催に間に合うように完成させることができないことが大きな理由だった。
「契約者とその作業員、観客、F1クルー、スタッフ、ボランティアマーシャルの健康と安全が最優先事項であり、これまでの忍耐と揺るぎないサポートに感謝しています。シンガポールGPの副会長であるコリン・シン氏は、“今年はレースを開催できないことを残念に思っていますが、来シーズンはファンの皆様のご来場をお待ちしており、7月からのシーズン開幕に向けてF1コミュニティの皆様のご健勝をお祈りしています」
2008年から12年続いているシンガポールGPの契約は来年が最終年であり、来年も無理となると、その後の継続が事実上不可能にな理想なことから、シンガポールGP関係者は、来年の復活を祈願している。
photo &レポート:Takuho Takamura/[STINGER]