フェッテルの2021年はアストンマーチン!?
“ストーブリーグ“。ドライバーの移籍交渉をそう呼んだのははるか昔のことになった。9月のイタリアGP辺りから交渉が始まったからだ。
その後、ホンダが圧倒的なポテンシャルでF1GPに君臨した1980年代中頃から、ホンダ・ターボ・エンジンをほしがったマクラーレンが、前の年の3月にアラン・プロストとアイルトン・セナという黄金コンビと契約して以来、契約交渉は“プールリーグ”と呼ばれるようになった。
ドライバーよりエンジンか先だったわけだが、再び、ドライバーが先行した。現在、プールリーグの真っ只中にいるのは、今年いっぱいでフェラーリとの契約を終えるセバスチャン・フェッテル。古巣レッドブルに戻るのではないかという噂の中に、急浮上したのは、アストンマーチン・レーシングだ。
アストンマーチン・レーシングは、現在のレースでポイントが名前を変える予定のチームだが、ここには、レーシングポイントの出資者である、ランスの父親のローレンス・ストロールがアストンマーチンを買収する話がからみ、アストンマーチンとレッドブルとの関連から、空力の鬼才アドリアン・ニューエイの移籍も浮上しており、注目のチームになりそうな流れ。そこに4度のワールドチャンピオンが加わるとなると、話としては面白い。
しかし一方で、フェッテルのポテンシャルを、“4回のワールドチャンピオンは、マシンの賜物”という厳しい声もある。
さてフェッテル、来年の活躍はいかに。
[STINGER]山口正己
photo by FERRARI