最終ラップに凝縮したF1バトル–2021F1GP第22戦(最終戦)アブダビGP決勝
マックス・フェルタッペンとルイス・ハミルトンが同点で迎えた2021F1GP最終戦アブダビGP。ヤス・マリーナ・サーキットで12月12日行なわれた決勝レースは、ホンダ最後のF1GP、ライコネンの引退レース、バルテリ・ボッタスのメルセデス最後のGPとして、歴史に残る緊迫感の中で展開した。
58周レースのゴールを目前にしたところで、ウィリアムズのニコラス・ラティフィがクラッシュ。出動したセフティカーが、最終ラップに退出、トップを争っていたルイス・ハミルトンとマックス・フェルタッペンによる、2021年を凝縮する凄まじい超スプリントレースの最終ラップを迎えた。
逃げるハミルトン+メルセデスと追うフェルタッペン+レッドブル・ホンダ。ハミルトンは12周前に交換して温まっているハード・タイヤ、フェルタッペンは、直前に交換したばかりのソフト・タイヤ。
フェルタッペン+レッドブル・ホンダがハミルトン+メルセデスに追いついて迎えた最終ラップ。オランダのナショナルカラーのオレンジ色で埋まったスタンド総立ちの中で、フェルタッペンが前に出た。
デビューから6年、マックス・フェルタッペンは、ハミルトンの8度目のタイトルを阻止して、待望のタイトルを手にした。父親のヨス・フェルスタッペン、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホナーも涙を流してゴールを見守った。
新チャンピオンは、「これから10年15年、この調子でずっとやっていきたい。2016年から私を信じてくれたクリスチャン(ホナー・チーム代表)にも感謝している。ありがとう」と、オランダ国旗を高々と掲げてコメントした。
角田裕毅+アルファタウリ・ホンダは、ジワジワとポジジョンを上げ、デビュー最後のレースで4位12ポイントをチームに持ち帰った。
このレースで引退を決めていたキミ・ライコネン(アルファロメオ)は、58周レースが半分に差しかかろうとしていた27周目に、ブレーキ・トラブルからスピンしてリヤからバリアに接触、F1GP349戦目の最後のレースを終えた。
ホンダは、この素晴しいF1を、本当に辞めてしまうのだろうか。今から前言撤回しても、誰も困らない。
2021最終戦アブダビGP結果
1. フェルタッペン+レッドブル・ホンダ
2. ハミルトン+メルセデス
3. サインツ+フェラーリ
4. 角田裕毅+アルファタウリ・ホンダ
5. ガスリー+アルファタウリ・ホンダ
6. ボッタス+メルセデス
7. ノリス+マクラーレン
8. アロンソ+アルピーヌ
9. オコン+アルピーヌ
10. ルクレール+フェラーリ
11. フェッテル+アストンマーチン
12. リカルド+マクラーレン
13. ストロール+アストンマーチン
14. シューマッハ+ハース
—-以下、リタイア
ペレス+レッドブル・ホンダ
ラティフィ+ウィリアムズ
ジオヴィナッツィ+アルファロメオ
ラッセル+ウィリアムズ
ライコネン+アルファロメオ
[STINGER]山口正己
photo by Honda
※写真を変更済