スペクタクルな展開のレースでサインツ初勝利–2022第10戦イギリスGP決勝
1950年に歴史を刻み始めたF1GPの最初の舞台となったシルバーストン・サーキット。2022第10戦の超高速レースは、盛りだくさんのドラマの中で、フェラーリのカルロス・サインツが完璧なレースを見せて151戦目の初優勝を飾った。
レースはスタート直後に多重クラッシュが起き、周冠宇+アルファロメオが転倒してコースオフ、逆さまのままでグラベルを滑ってジャンプ、反動で観客を護るための金網に叩きつけられて大破し、レースは赤旗中断。周冠宇は救出されてまったく無傷だったが、コース修復で約1時間後に再スタートする波瀾の幕開けとなった。
ルクレールとサインツのフェラーリが1-2でレースを引っ張り、ハミルトン+メルセデスが追う展開。終盤に、オコン+アルピーヌがギヤボックス・トラブルでストレートでストップ。セフティカーが導入され、残り10周の超スプリントレースとなった。
その時点で、ルクレール+フェラーリを抜いて2位に上がっていたハミルトン+メルセデスが、タイヤ交換のタイミングで一時はトップに立って、スタンドは熱狂の嵐に引きずり込んだ。
後方でも、アロンソ+アルピーヌとノリス+マクラーレンが追いついて激しい5位争い。さらにシューマッハ+ハースがトラブルで遅れていたフェルタッペン+レッドブルと7位争いを見せ、見どころ満載のレースに、ハリウッド・スターのキアノ・リーブスやトム・クルーズもピットで興奮して展開を見つた。
優勝のカルロス・サインツは、「なんと言っていいか分らない」と初優勝を喜んだ。
「シルバーストンでフェラーリで、これ以上はない。忘れられない週末になった」
カルロス・サインツの新たな頁の始まりとしても、2022年第10戦は深く記憶に刻まれた。
[STINGER]山口正己
photo by formula1.com