【2019】 ハンガリーGP
オンガロリンク
◆ハンガリーGPは、F1GPを開催するために作られたオンガロリンク・サーキットで、1986年にスタートした。ブダペスト市内からクルマで30分ほどの郊外のそのコースのこけら落としレースで、ネルソン・ピケ(父)と、アイルトン・セナの壮絶なトップ争いが話題を呼んだ。
◆低速レイアウトのオンガロリンクでの追い越しは、簡単ではない。さらに争っている同士では、基本的に不可能だが、ウィリアムズ・ホンダに乗るピケは、ロータス・ルノーのセナを、1コーナーアウト側からカウンターステアを当ててフラフラと蛇行しながら強引にパスし、オンガロリンクを人々の記憶に刻み込んだ。
◆屈曲したコースは、平均速度200km/h程度でモナコに次ぐ低速。ダウンフォース・レベルはモナコに並んで最大級だが、年間レース数が少なく、F1級のマシンが走るレースは限られることから路面はホコリっぽく、特に金曜日にグリップが低く、ドライバーとチームを苦しめる。
◆ブダペストの中央をライン川が流れているが、これは少し違和感のある表現。というのは、そもそもライン川を挟んで、ブダとペストが合体してブダペストになったため。川を跨ぐ橋の中で鎖橋が名高い。ライトアップしたその雄姿は、ハンガリー帝国を彷彿とさせる神々しさを放っている。
◆2013年、シーズン前半、レース中にタイヤ表面の剥離が見られたため、ピレリがハンガリーGPから2012年の構造に2013年のコンパウンドを組み合わせた新しいタイヤが投入された。タイヤの変更により、新しいタイヤに対応できるかどうかでグリッド上の勢力図が変わってしまった。
◆ハンガロリンクとも呼ばれるが、STINGERではより現地の発音に近いオンガロリンクと表記。