アロンソお断り? 声優までこなすドライバーたち — オーストリアGP木曜記者会見
ほとんどの質問がアゼルバイジャンでの一件に集中。
木曜日恒例のドライバー記者会見。2部構成の会見パート1には次の3名が参加。
ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)
ケヴィン・マグヌッセン(ハース)
セバスチャン・フェッテル(フェラーリ)
※パート1のコメントのみ抜粋して掲載してあります。
ハミルトンとフェッテルはアゼルバイジャンでの一件のあとのやり取りと、もしも噂のようにアロンソがチームメイトになあるとしたらどう思うか、またマグヌッセンも加えて3人が出演したカーズ3についてもそれぞれコメントした。
※3人がカーズ3について語っている内容にストーリー上のネタバレは含まれていません。
Q.セバスチャン、2週間前のバクーでのイベントを振り返ることからお願いします。あなたは今週の月曜日に発表した声明の中で、つい感情的になってしまい、オーバーな振る舞いをしてしまったと説明しました。当時何が起こっていたか話していただけますか?
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル):大事なことじゃないと思うけどなぁ、違う? それについて僕らは何度も見たと思う。僕は(映像で)それを見た。うーん、マシンの中からと外から見たのじゃ確かにちょっとギャップがあった。だから声明を出したんだ。レースのあとにルイスとちょっと話すことができたけど、これ以上話を膨らませたくないよ。それは僕の権利だし、僕ら同士のあいだで留めるのも僕らの権利だと思う。僕は言うべきことはすべて語ったと思ってる。あれは間違いだった。僕はレース中にペナルティをもらったし、レースに勝つチャンスも逃した。ルイスがヘッドレストの問題(走行中にはずれそうになる)を抱えてることを予想することはできないけど、もっと多くのポイントを賭けて闘える可能性はあったよ。そのあと、僕は巻き返すためにできることはすべてやったよ。
Q.セブ、あなたはあれは間違いだったと言いましたが、何を間違えたのでしょう?
フェッテル:間違った行動だったし、間違ったことをした。彼と並んで走って彼のタイヤに接触しちゃったのは間違った動きだった。それについてみんな聞きたいんだろうけど、話すことはそれ以上ないよ。あのとき、僕はビックリしてた。ルイスがブレーキを踏んだように感じたし、それで僕は彼のマシンに突っ込んでいくのを止められなかった。でも声明でも話したように、あとから考えてみれば、彼に悪意はなかったと思う。だから実際は彼は僕にブレーキテストをしたと思わない。そのときはそう思っちゃったけどね。僕は驚いて、それでカッとなってオーバーな反応をしちゃったんだ。あの場面を誇りに思うか?ノーだよ。(あの場面を)やり直したいか、後悔してるか? イエスだよ。だからこれ以上その話を長引かせる必要はないと僕は思う。
Q.ルイス、あなたももう問題は解決したと思ますか?
ルイス・ハミルトン(以下、ハミルトン):僕にとってもイエスだよ。今週末のことに集中してる。もちろん興味深い記者会見だし、今回はたくさんの人がここ(記者会見がおこなわれている部屋)に来てる。(会見の模様を)見てる人たちはカメラのうしろにどれだけの人がいるか見えないだろうけどね。僕は前回で言うべきことは全部しゃべったと思う。今やる仕事はとにかく集中することで、まだこれからもたくさんのレースがあるし、ポイントの面でちょっと遅れをとってるしね。だから集中し続けないとね。
Q.バクーでの出来事のあと、あなたとセバスチャンの関係に変化はありましたか?
ハミルトン:ないと思うよ。セバスチャンと僕はレースのあと、それから月曜日に話をしたし、そのあとすぐにメッセージをくれたよ。彼には今もドライバーとして最大級にリスペクトしてるし、残りのシーズンもこれまで通り、彼と激しいレースを続けていくよ。これまでよりも難しい事態になるわけじゃない。ハッキリさせておきたいのは、僕は彼に対してブレーキテストをしたって言われたけど、そこは間違えないでほしい。見てる人たちが僕がそうやったと感じてるかも知れないから。データではそうじゃなかったことがハッキリしてるしね。実際は彼が加速してた。(彼が)やるべきだったのはできる限り僕の近くを走ることだったと思うけど、そこで判断の誤りがあったと思う。僕としては彼にその点をクリアにしてほしかった。僕がリードしてたしね。それで、うん、彼の謝罪を受け入れたし、先に進んだよ。
Q.セバスチャン、ルイスとの関係について教えてください。あなたたちの関係性についてです。
フェッテル:そうだね、大きな影響がないって聞いて嬉しいよ。僕がやったことは明らかに間違ってたし、それで僕は謝った。あとはルイス次第だからね。僕はミスをしたし、彼が怒るのも理解できる。ただ、前に進めるって聞けたのはよかったよ。この件に関して、トラックの中でも外でもお互いをリスペクトするっていうことがその助けになると思うよ。
Q.ルイス、あなたはレース後、あなたは非常に怒っていて、セバスチャンのあのインシデントはこのスポーツの恥だと強い言葉で語っていました。今はそのようにコメントしたことを後悔していますか?
ハミルトン:レースのあとに特に怒ってはいなかったと思うよ。もし怒ってたとしたらほかの理由だろうし、言ったことに対して特にあの場面をやり直したいとは思わないよ。あの場で起きたことに関しては今も同じ意見のままだけど、もう終わったことだから。僕らは前に進んだ。それについて話し合って、前に進んだよ。これ以上話す意味はないよ。
Q.セブ、クールダウン・ルーム(表彰式前に入る控室)であなたと(ダニール・)クビアトの件がありましたが、なぜあなたはレース直後に彼(ハミルトン)に話に行かなかったのですか?
フェッテル:あなたがそこのドアから出ていくようにと僕に頼むのと同じことだよ。あそこにはたくさんの人がいたし、僕はレースのあとは正しいタイミングじゃないと思ったから。彼がレースのあとも忙しいのもわかってたからね。いつもミーティングとかもあるし。だからレース直後は正しいタイミングだと思わなかったし、僕らのあいだには人がたくさんい過ぎたよ。
Q.ルイス、彼の謝罪を受け入れましたか?
ハミルトン:会話の中で実際に謝罪があったわけじゃなかったんだ。その意図があったにしてもね。その次の日にテキスト(メール)のやり取りをしたんだ。セバスチャンからメッセージをもらって、そこで謝罪があった。それで僕は受け入れたよ。
Q.セバスチャン、今は笑って話していますが、あなたは9点のペナルティ・ポイントを受けるべきだと思います。あなたはメキシコでレース・ディレクター(チャーリー・ホワイティング)に自身が何をしたかを伝え、(そこでの暴言を含め、同じような問題は2度と起こさないと)彼に誓いましたが、あなたはマシンを武器として使用しました。(ペナルティの面で)大事にならずに済んだとは思いませんか?
フェッテル:僕はペナルティを受けたし、ルイスのマシンにヘッドレストの問題もあったしレースは僕のものになる可能性があった。でも勝てるレースで4位だったワケだから、僕はレースのあとに満足してなかった。それがポイントの面でどれだけ違いがあったかは(簡単に計算できることなので)伝える必要はないよね? だから・・・
Q.あなたはマシンの進行方向を彼(ハミルトン)の方に向け、彼に突っ込みましたよね?
フェッテル:彼にも言ったけど、僕は彼を傷つけるつもりはなかったよ。彼に一発かましてやろうとは思ってなかった。
Q.でもやりましたよね?
フェッテル:さっきも言ったけど、過剰に反応しちゃったんだ。彼を傷つけたかったわけじゃないし、速度も遅かった。でも振り返ってみれば間違ったことだった。危険だったし、それにやる必要のないことだった。それで勝てなかったということもあるし。
Q.この部屋にはあまりに緊張が張り詰めているので、ルイスとセバスチャンに質問です。あなたたち2人はカーズ3※の声優を務められました。セバスチャンはドイツ語版を担当されました。ピクサー(ディズニー傘下のCGアニメ映画製作会社)の人たちとの仕事はどうでしたか? また、(カーズ2にも出演した)ルイスはカーズで別のキャラクターを演じてみてどうでしたか? ケヴィンは声優や演技の仕事をしたことがありますか?
まずはケヴィンからお願いします。
※ディズニー/ピクサーの長編CGアニメ映画。レースの世界で闘う擬人化されたクルマのキャラクターたちが仲間と助け合って成長していく姿を描く物語の第3弾。日本では7月15日(土)公開。スペイン語版にはフェルナンド・アロンソ、日本語版にはレースの解説車(者)として片山右京も参加。
ケヴィン・マグヌッセン(以下、マグヌッセン):僕もやったよ。カーズのデンマーク版で。僕はクルマのうちの一台を演じたと思う。だからみんなやったてことになるね。
フェッテル:みんな同じクルマのキャラ。多分サト・ナヴ(カーナビの意味)じゃないかな?
ケヴィン・マグヌッセン:僕はサト・ナヴじゃなかったけど、どのクルマだったか覚えてない。ゴメンね!
フェッテル:(その調子だと)きっとまた聞かれるよ(笑)。
Q.セバスチャンはどうでしたか?
フェッテル:そうだね、声を当てるにあたって不安はなかったよ。演技するよりはね。楽しめたし、楽しい経験だったよ。たくさんの人たちが助けてくれたしね。さっきも言ったようにすごくラクだったよ。声を当てるだけだから。演技するんだったらもっと大変だろうね。楽しかったよ。僕はドイツ語版と、それからイタリア語版にも出演したんだけど、そっちはちょっと難しかったね。でも楽しかったよ。公開されたら自分の声を聴くのが楽しみだよ。
Q.ルイスはどうでしたか?
ハミルトン:僕は2回目の出演だったけど、すごく楽しんだよ。そのチャンスをもらえて感謝してる。
Q.ルイスとセバスチャンに質問です。フェルナンド・アロンソのマネジメントは現在、フェラーリとメルセデスと話をしています。少なくともその噂があります。彼がチームメイトになることについてどう思いますか? 彼とチームメイトだったことがあるルイス、あなたからお願いします。
ハミルトン:今のチームメイトにかなり満足してるから今は考えてもないよ。
Q.セバスチャンは?
フェッテル:そうだね、僕はドライバーと契約を交わす立場にはいないけど、僕としてはキミ(・ライコネン)の方がいいかな。
【翻訳:STINGER】
Photo by MERCEDES AMG PETRONAS Formula One Team