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アロンソ、混沌のインディ500チャレンジ

インディ500は本番の前に、気の遠くなるような長いプラクティスと予選を行なう。19日、そこまで4日間のプラクティスを経て、103回目を迎えたインディ500の予選day1が行なわれた。

そこで注目されたのは、二度目のインディ500挑戦を迎えたフェルナンド・アロンソ。ただし、注目は、悪い方にだった。上位30台を選ぶ初日に31番手で予選落ちの窮地に陥った。

今回のフェルナンド・アロンソのインディ500チャレンジは、乗っけからボタンの掛け違いが見えていた。まずは、F1時代の“遺恨”からホンダ・エンジンが使えないところから計画はスタートした。F1時代に揃いもそろってホンダをこき下ろしたマクラーレン陣営でのチャレンジだったからだ。断わられて当然だった。

しかし、シボレー・エンジンでも勝機がないわけではなく、オレンジ色のアロンソ+マクラーレンは、シボレー・エンジンを搭載して第103回インディ500参戦を決めた。

とはいえ、マクラーレンというチームは、ブランド力はあっても、インディ500という特殊なレースを闘うには問題含みだった。最初の問題は、プラクティス2日目のクラッシュからのマシン修復に時間がかかったことだ。

単純な比較はできないが、同じプラクティス2日目に、日本でもおなじみ、インディカーシーリズのルーキーで、第5戦インディ・グランプリのウィナーであるフェリックス・ローゼンクヴィストもクラッシュしたが、3日目に走行できた。しかし、アロンソは3日にまでにクラッシュしたマシンの修復が間に合わず、3日目をパスする結果になった。ローゼンクヴィストがトップチームのチップ・ガナッシに対して、マクラーレンのチーム力の劣勢が影響していなかったとは言い切れない。

2017年、順調にプラクティスをこなし、予選5番手からスタートし、結果的にはエンジン・トラブルでリタイアしたものの、トップ集団を走ったときは、アンドレッティ・オートスポートのサポートだった。こちらも、インディ500の経験タップリの信頼できるチームだった。

佐藤琢磨が優勝した2017年、琢磨もアロンソも、プラクティスから完璧なオペレーションでスケジュールをこなしていたことを思い出す。同じアンドレッティ・オートスポートのチームメイトだった。しかし、今回のアロンソは、最初からつまずいている。

アロンソが、最後列の3台を争う場面を走ることになるなんて、チーム代表のザック・ブラウンは、想像もしなかったはずだが、“布石”はタップリあったのだ。

[STINGER]山口正己
photo by INDYCAR

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