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ザンドボールドの“バンク”

バンク付きの3コーナー。確かにインディ500を彷彿とさせる。

 

今日から始まるオランダGPの会場ザンドボールドは、話題が多いサーキットだ。海岸に近いことで砂が路面に舞ってグリップが不安定になることもだが、コーナーの“バンク”も話題の一つだ。

鈴鹿サーキットと同じ設計者のジョン・フーゲンホルツは、3つのコーナーコーナーの内側を低くする“バンク”をザンドボールドにデザインした。3つとは、1、3、14コーナーだ。

そのうち最もバンク角が深い3コーナーは18度のカント(傾き)がついている。これは、インディアナポリス・モーター・スピードウェイの3-4コーナーが9.32度よりも深い角度だが、日本にはかつて、『30度バンク』が存在した。今は使われなくなった富士スピードウェイのフルコースの1コーナーがそれだ。

インディアナポリス・モーター・スピードウェイの半分を使うアメリカGPも、画面右のターン13はバンク付きだった。

ただし、富士スピードウェイの30度バンクは、下りながら進入する独特の形であり、角度だけでなく、コーナーとしてまったく別モノ。ザンドボールドのバンクは、コーナーを走りやすくする方向で着けられたものだが、富士スピードウェイのそれは言ってみれば度胸試しの色合いが強く、結局そこでアクシデントが連発したことで閉鎖に追い込まれ、現在はショートコースだけが使われている。

 

イタリアGP会場のモンツァの最終コーナー“パラボリカ”や、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのオーバルの一部を使うアメリカGPのコースにもバンクがあり、2005年には、バンクを想定していなかったミシュラン・タイヤが、続けざまにバーストする事態も起きた。

そうした歴史的背景も含めて、オランダGPへの期待は高まっている。

【STINGER】
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