シンガポールGP中止の波紋-2/2
(1/2からつづく)
シンガポールGP最大のグランドスタンド「ベイグランドスタンド」(16-19コーナー)は2022年3月以降に取り壊しが決定しています。跡地には「NS Square」という軍・徴兵制度に関連する施設が建設され、工事は数年間行われる予定です。2.7万人収容のグランドスタンドを失うことでの入場者数減は大きな痛手です。取り壊しはコロナ前から決まっていたため、シンガポール政府はコロナの有無に関わらず今年2021年の開催でF1終了を考えていた可能性も考えられます。
<資金・タイトルスポンサー>
シンガポールGPは政府も一部資金を負担、またタイトルスポンサーはコロナで過去にない痛手を負っているシンガポール航空です。コロナによる経済対策に政府が多額の資金を拠出している現状、F1開催の費用までも政府が負担していたら国民の反発は確実です。もちろんシンガポール航空もスポンサーとしての負担は不可能です。
このような現状からシンガポールGPの行く末はかなり暗いと言わざるを得ません。
シンガポールGPはシンガポール最大規模の国際イベントでした。レースだけでなく世界のトップアーティストを多数招いて会場内で連日コンサートも開催、F1ファンも音楽ファンも世界中の人々を魅了してきました。シンガポール政府はもちろん、F1ファン、レース関係者、誰もがこのような終わり方は望んでいないと思います。
<持ち回りでの開催希を>
マレーシアやベトナムなど近隣諸国との隔年開催など、何らかの形でシンガポールGPが存続することを願っています。
photo &レポート:Takuho Takamura /[STINGER]