チームメイトと自分、本当に闘うべき相手は? — イタリアGP木曜記者会見
木曜日恒例のドライバー記者会見。2部構成の会見パート1には次の3名が参加。
エステバン・オコン(フォース・インディア)
セルジオ・ペレス(フォース・インディア)
セバスチャン・フェッテル(フェラーリ)
※パート1のコメントのみ抜粋して掲載してあります。
フェッテルはフェラーリへの思いを語ったが、フェラーリのお膝元のモンツァでの会見ながら、質問はオコンとペレスの最近のバトルに集中した。
Q.セルジオ、あなたとエステバンのバトルは今シーズンの話題の一つです。状況はカナダから少しトリッキーになり、バクーでは接触し、ブダペストでは軽い接触があり、そして先週末のスパでも起こりました。エスカレートしていった原因は何でしょうか? あなたの意見を聞かせてください。
セルジオ・ペレス(以下、ペレス):僕らは最近はかなり近いところで闘ってる。あなたが言うように、僕らはここ数戦でインシデントがあった。僕は彼とはすごくいい話ができたと思うし、個人的には彼と僕のあいだではもう次に進む時間だと思ってる。起きたことについては誰だって自分の主張があるものだからね。エンジニアたちも意見があるし、ファン、僕らもそれぞれお起こったことに対する意見があるんだ。一番大事なことはもう前に進むことだよ。チームとしての一番の目標はコンストラクターズ・ランキングを4位で締めくくることで、これ以上ポイントをロスできないよ。さっき挙げてもらったようなレースでかなりのポイントをロスしちゃったと思うから、前に進むべきだし、あんなことはもう二度と起こらないと確信してる。
Q.エステバン、あなたからはどうですか?
エステバン・オコン(以下、オコン):僕らは接戦を演じていたし、セルジオが言ったように、僕らは予選の最後コンマ数秒まで闘ってるし、レースでも同じだよ。僕らはとにかく拮抗してたんだと思う。ただ、以前に起きたことが起こった。起こったことを変えることはできない。僕らは前に進む必要があるよ。今朝、セルジオが言ったように話し合ったんだ。ふたりきりでね。そう、僕らはそれをもう忘れるときだし、チームのためにハードに闘うよ。大事なことは、彼らに見合った結果を得ることで、僕らはプロフェッショナルなふるまいをしないといけない。僕らはお互いチャレンジし続けていきたいし、彼らをプッシュし続けたい。最後まで(コンストラクターズ・ランキング)4位のポジションを維持しないとね。
Q.セバスチャン、やっとあなたへの質問です。あなたはフェラーリの思い出は沢山あると思いますが、ほかの思い出はありますか?
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル):そうだね、僕はマイケル(ミハエル・シューマッハ)信者だったし、子供のころにF1を観てたときの思い出のほとんどがマイケルに関連したことだし、そうなるとフェラーリと関連したものになるね。(当時も)彼をすごくリスペクトしてたし、彼が乗ってるマシンと所属するチームもだね。だから僕がこのチームに加わったときは夢が叶ったし、たくさんの思い出があるよ。子供のころ、ミニカーでいつもレースごっこをしてて、赤いクルマがいつも勝ってた。なんでかわからないんだけどね(笑)。 僕の周りの環境からそういうふうになって行ったんだと思うし、たぶんそのマシンが一番前にいるべきだと思うよ。マイケルのフェラーリのガレージに入れるチャンスがあったんだ。あれは2003年のニュルブルクリンクだったかな。みんな赤い服を着てて、働きまわってる人たちをみてて魔法みたいな時間だったよ。子供にはそういう経験が大きく影響するからね。今の僕はいたいと思ってたところにいるし、それは最高だよ。だからたくさんの特別な思い出があるんだ。
Q.セルジオ、チームから2度と同じことを起こさないようにと指示がありました。先輩ドライバーとして、どのようにマネジメントされるのがよいでしょうか?
ペレス:僕らはお互い十分成熟してると思う。エステバンも長いことレースをしてきてるし、僕らはお互い状況をどう対処すべきかわかってる。そう、僕らにいくつか指示が出されたけど、自分たちじゃなくてまずはチームの利益を第一にすることを確実にするために、すべてを適切にまとめられると思うよ。
Q.エステバン、あなたが成長するためにはすべてのイベントで最大限にプッシュすることを許されることが重要です。チームからの支持はそれにどのように影響しますか?
オコン:僕がルーキーでも経験豊富でも関係ないよ。最終的に重要なのは自分たち、チームにとっての結果だよ。確かにチームからの指示はあったし、それに従うよ。
Q.セバスチャン、以前所属していたチームであなたも当時のチームメイトと似たような緊張状態がありました。あなたはどう対処していましたか?
フェッテル:そうは思はないけどな。僕はお互いいつでも話せると思うよ。同じマシンを走らせてるワケだし、トラックで同じポジションを賭けて闘うことになるのは当たり前のことだからね。そりゃ自分が前に留まりたいってものだよ。マシンに乗ってると、自分が前にいたいと思うものだからね。そのときは周りがどうなってるか、ふたりが言ってるように十分注意してなかったんだと思う。お互いのクルマを見て走ってるんだから、ドライバーが誰かはあんまり気にしてない。マシンに乗ってるときはある意味では利己的に考えないといけない部分もある。同時に、チームに対してベストな仕事ともしたい。彼らはお互い話し合う機会があったんだし、たぶん今マーク(・ウェバー)と振り返ってみたら、たぶん彼のことを指してるんだと思うけど(笑)。 彼とはすごくいい関係を築いてる。僕らも何年も前に起きたことに対して距離を取りつつ話してきたし、今はそのことを笑って話せるよ。お互い自分の意見があるものだしね。
Q.フォース・インディアのお二人に質問です。話し合ったのがいつで、その内容が何だったのか教えていただけますか?
ペレス:今朝のことで、おもに……僕がエステバンの部屋に行って彼と話したんだ。僕らはう~ん、エンジニアたちの見方もあったし、みんなそれぞれ意見があるし、個々のインシデントをあげつらって話しても無意味だから、とにかく一緒に先に進もうってね。過ぎたことは忘れて、一緒に進もうと。ここから新しい関係が始まると思うし、僕はこれからチームとしてしっかり仕事をして行きたい。まずはチームを最優先に考えて、お互いが合意した。すごくシンプルなことだよ。
Q.エステバンは?
オコン:彼が全部しゃべってくれたよ。
Q.フォース・インディアのお二人にお聞きします。同じマシンに乗って避けられないほど接近したバトルをしてきましたが、どちらかがほかのチームへ行くことを考えていますか? お二人ともルノーのドライバーとして名前が挙がっていますが、誰が最初に(契約書に)サインをするのでしょうか?
ペレス:それは僕が考えてることじゃないよ。僕は今いるチームでベストを尽くしたいし、最高の結果を残したい。僕らはお互いがチームのために間違ったことをしてしまったことはわかってるし、僕のメイン・ターゲットはここを離れることじゃないよ。エステバンとはまだやって行けると思ってるしね。お互いまだ上手くやって行けるし、ほかに行くことは考えてないよ。
オコン:今のところはそれは考えてないよ。目の前に大きなチャレンジがあるしね。僕らにはいいマシンがあってうしろにはいいチームがいてくれる。僕らは毎戦いい仕事をしていればポイントをゲットできるし、今はフォース・インディアと一緒には走ることに集中してる。来年のことじゃなくてね。僕はマネジメント陣を完全に信頼してるから、来年もF1で走れるチャンスあると思ってるよ。
Q.セバスチャンには申し訳りませんがお二人への質問です。今回のように質問を浴びせられることが分かっている状態で会見に出席しなければならない場合、メンタル面でどう感じていますか?
オコン:これも仕事のひとつだからね。F1ドライバーになったらたくさんのメディアの前に出るものだし、ドライビングだけじゃなくてこういう場でジャーナリストたちが言おうとしてることに対応していかないといけない。結局、さっきも言ったようにこれも仕事の内だよ。
Q.セルジオはどう思いますか?
ペレス:(完璧な受け答えをしたチームメイトに対して)そうだね、エステバンはすごくよくやってると思うよ(笑)。
オコン&フェッテル:(笑)。
Q.セバスチャン、あなたはスパでフェラーリはほかのチームにないものを持っているとコメントされました。それは何でしょうか?
フェッテル:どう説明すればいいかな? 誤解しないでほしいんだけど、フェラーリ持ってる? 持ってない? フェラーリのシートに座ったことは? ない? ぜひやってみてほしい。ただフェラーリのシートに座るだけ。この世界には素晴らしいスポーツカーが沢山あるし、そのすべてを知ってるわけではないけど、少なくとも僕はそれで感じるし、たぶんその質問の答えが見つかるんじゃないかな。フェラーリに乗るとき、フェラーリのシートに座るとき、わからないけど、ほかのクルマに乗るときにはたぶん同じ感触は得られないんじゃないかな。エンジンをかけて走らせる機会があれば、クルマ好きやレースへのパッションがある人なら誰でもすぐにフェラーリに恋するハズだよ。多分フェラーリに乗せてくれる人を探してもらうのが一番いいかな(笑)。 それが質問の答えを見つける一番の方法だよ。
【翻訳:STINGER】
Photo by Force India F1 Team