ピレリのアゼルバイジャンGP
フェルスタッペンとストロールが、超高速コースのバクーの2.2kmのロングストレートでタイヤがバーストしてスピン/クラッシュした件について、タイヤを一社供給するピレリが状況を精査して報告した。
【2021年6月6日、バクー・キーポイント】
• レッドブルのセルジオ・ペレスが、P Zeroレッド(ソフト)– P Zeroホワイト(ハード)–P Zeroレッド(ソフト)の2ストップ戦略で優勝した。
残り3周時点で、トップを走っていたレッドブルのマックス・フェルスタッペンに発生したアクシデントによって、レースは赤旗中断となった。
赤旗に関するレギュレーションの下、ドライバーたちは最後のスティントに向けてタイヤ交換を行うことができた。
• 赤旗中断になるまで、大半のドライバーがソフトからハードへ繋ぐ戦略を選択していた。彼らは、赤旗中断中にソフトへ交換した。
• レース中盤、左リア・タイヤのパンクによって、アストンマーティンのランス・ストロールがピットレーン入口付近でクラッシュしてセーフティーカーが導入された。
ピットレーンがオープンされると、5名がタイヤ交換を行なった。
• 左リア・タイヤに発生したインシデントの原因調査に関する最初の観察結果として、問題となったタイヤと同等もしくはそれ以上の周回を走行した他のタイヤには、過度の摩耗などの兆候は一切見られず、一方、ルイス・ハミルトンが同じスティント中に装着していた左リアタイヤにカット痕が発見されていることが挙げられた。
また、問題発生前に警告やバイブレーション等の前兆はなく、このサーキットで左リアタイヤが最も負荷のかかるタイヤではないことも分かっている。
これらのことから、何らかの外部的要因の存在の可能性も排除できない。
• 前日よりも冷涼な天候となり、スタート時の気温は約26℃、路面温度は 39℃ほどだった。
【各コンパウンドのパフォーマンス】
• ハード C3
アゼルバイジャンでの鍵を握るコンパウンドとなり、大半のドライバーが長い第 2 スティントでハードを使用した。
• ミディアム C4
主にソフトとハードが使用され、ミディアムはスタート時に3名のドライバーが使用したのみだった。
• ソフト C5
トップ10グリッドを含む多くのドライバーがソフトでスタート。2位を
獲得したアストンマーティンのセバスチャン・ベッテルは、18周のオープニングスティントをソフトで走行、レース序盤には一時トップを走行した。
◆マリオ・イゾラ・ピレリF1兼カーレーシング責任者
「ランス・ストロールとマックス・フェルスタッペンのマシンで発生したインシデントを完全に理解するために、その背後にある事実を明確にする必要があります。現時点で言えることは、ハミルトンの左リアタイヤにもカット痕が存在していたこと、また、このサーキットでは左リアタイヤよりも右リアタイヤの負荷が高いことです。警告やバイブレーション等は検出されておらず、問題となったタイヤと同等もしくはそれ以上の周回を走行した他のタイヤにおいては過度の摩耗はありませんでした。したがって、今回のようなことはあってはならないことであり、回答の必要性を理解していますが、外部的要因が存在した可能性を排除できない状況です」
【STINGER】
photo by PIRRERI