シリーズ・バーチャルセーフティ・カー :その26・インディ500の賞金
新聞紙ではなく、札束。いかにもアメリカなインディ500翌日の記念撮影。笑顔は1989年ウィナーのエマーソン・フィティパルディ。
視点を変えるとモーターレーシングはもっと面白い
インディ500は、今年もドラマチックに展開し、オーストラリアのウィル・パワーが挑戦9年越しの優勝を手にした。
インディといえば賞金が話題になるが、それは、金額の大きさだけでなく、“アメリカンドリーム”を伝える姿勢にも現れている。エマーソン・フィティパルディが優勝した1989年インディ500の翌日の記念撮影で、マシンの前に新聞が積んである写真が届いたが、よく見たら新聞ではなくて札束だった!!
ヨーロッパでは、“夕べのことと金のことは言わないのが紳士”とされ、日本でもその傾向が強いが、アメリカは違う。アメリカン・ドリームは堂々と(?)見せる。
去年優勝した佐藤琢磨の賞金額は、245万8129ドル。今年のウィル・パワーは、252万5454ドル。日本円にして2億7千万円ほど。佐藤琢磨は、「チームが分配するので、全額をもらえるわけではなりません(笑)」とコメントしていたが、そうであってもまさしく一攫千金。さらに、これ以外に佐藤琢磨は、ペースカーに使われたコルベットも贈られ、さらに八郷隆弘本田技研社長からブルーのNSXも贈呈された。
ちなみに、今年の佐藤琢磨は、序盤にリタイアを喫したが、最初にペースカーの原因を作ったなどの“アワード”で、30万305ドル、日本円にして軽く3000万円を越す賞金を贈られた。今年は、マシンの修理代で終わりだったかもしれないけれど。
[STINGER]山口正己
photo by IMS