小林可夢偉 スペインGP予選後会見全録 1/4
これまでの4戦がウソのようだった。可夢偉は、ヨーロッパ・ラウンド緒戦で、フロックではなく、真正面勝負の予選でQ3に勝ち上がった。前にいるのは、ビッグ4の8人と、ルノーのR.クビツァだけ。これ以上ない最高の予選を戦った。”いい仕事”の予選後に、可夢偉が”戦い”を振り返る。
◆もし、Q3で、戦闘能力のあるタイヤがあったら?
—-Q3で、もしフレッシュ・タイヤが残っていたら、同じフェラーリ・エンジンのマッサ(9位)を超えたのでは、という声がありますが?
可夢偉 まあ、そうですね、現実的にそうだった(超えられた)かもしれないですけど、ただ、あそこまでタイヤを”使って”、はじめて、あのタイムを出せたということを考えれば、正直なところ、あんまり「それ」(マッサ超え)を考えても仕方がないし。
自分らが、いいパフォーマンスの方向に行っているということは間違いないんで、この調子で、クルマ自体をよくして行きたい。確実にQ3へ入れるようになったら、Q3で(タイム・バトルを)闘えるように、(それまで)タイヤをセーブしながら、というプランを作ればいいかなと思うんで。
まあ、いまの段階では、「あれ」(タイヤの”酷使”)があったから、あのポジションに行けたというように考えたいです。
—-Q2では、一回目から二回目にかけて、コンマ6秒、タイムを削りましたが、あれはどんなラップだった?
可夢偉 ぼくも、よくわかってないですが(笑)なぜか、いいタイム・・・。まあ、すべて、うまくまとまって──それまでも、そんなに失敗はしなかったですけど、少しずつフロント・ウイングも調整していって、最後のときに、ぼく自身も、もうちょっとずつと(タイムを)詰めていって、結果的によかったということで。
クルマが、(スケジュールが空いた)三週間、チームがいろいろやってくれて、いい方向に行っているというのが確認できたんで・・・。
明日は、ぼくは、もう気持ちを切り換えて──ポイント(獲得)ということはあまり考えず、とりあえず、レースを完走するということだけ考えて、そうやって走れたら、まずは十分ではないかと思ってます。
◆午前のフリー走行では、コースアウトしてしまった
—-フリー走行でコースアウトしたときには、これでちゃんと、セットアップができるのかと心配しましたが?
可夢偉 クルマのセットアップ自体は、方向性的には、昨日の段階で、もう決まっていて・・・。あとは、タイヤの確認──オプション、プライムで、(フリー走行は)ただ確認するだけだったんで。(コースアウトはしたが)最後に4周して、タイヤのウォームアップ自体もできたんで。
まあ(コースアウトしたので)セットアップで、ほんの少し「できない」という部分はあったんですけど、それはまあ、自分の責任で。
チームも、よく頑張ってくれて、最後に4周走れたということだけで、もう十分でした。
—-午前中のフリー走行の4コーナーのコースアウト、ビックリしました。
可夢偉 ぼくも、ビックリしました(笑)。長い間ドリフト状態で、グラベルに入っていったんで。でも、ほんとに、クルマが壊れなくて、幸いだったなと思ってます。
—-ここのスタート、10位だと”ダーティ・サイド”からのスタートになります、また1コーナーまでが長いので、狙っていく?
可夢偉 いや、スタートを意識するというより、ほんとに、あまりリスクを背負わずに。とりあえず、自分のポジションをできるだけキープして。レースのペースは(ザウバーは)そこそこ、いいと思うんで、それ(レースでいいという特性)をうまく使えれば、いいんじゃないかなと思ってます。
(2/4につづく)