1000GPを迎える上海サーキット
週末に控えた1000回目のF1GPとして記念すべき会場となる上海サーキット。まずは、なんと言っても“空中回廊”、ストレートを挟んで、地上9階建ての建造物は、初めて訪れた多くの人は、その着想と実行してしまう中国パワーに驚く。
総工費は280億円とも266億円とも言われる。少し前にできたツインリンクもてぎの400億円に比較すると見劣りするようだが、物価を考えると、とんでもないことになる。そもそも、土地代は、場所からして日本に比べればタダ同然? そう考えるととてつもない大工事だったと言えそうだ。
広すぎて不評なパドックを挟んで、上海の名所豫園を模した池の上に点在するチームスイートは、建築がズサンで壁に隙間があるという指摘もあったりするが、そんなことより、全体のイメージは、別格。
ズサンな工事といえば、2年目の2005年には側溝のフタが外れてファン-パブロ・モントヤのマクラーレンがリタイアするという“らしい”事件も起きたが、らしいといえば観客席の椅子の色だ。統一されずにバラバラ。さすがにこれだけの数を揃えられなかったのか、と思いきや、チラホラと客が入った現場を見て思わず“アッ”と叫んでしまった。客が入っているように見えるではないか!! バラバラな色は、ハナから狙った計算ずく?! さすがフェイクの国だけのことはある。
2006年のウィナーはフェラーリのミハエル・シューマッハ。7度のワールドチャンピオン最後の勝利は、上海だった。
[STINGER]山口正己
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