◆どうした、ザウバー・チーム!(1/2)

日本期待のの可夢偉(カムイ=小林可夢偉)は、「ボク一人になっても夢をつなげたい」と真っ正面から本格デビューのシーズンに挑んでいる。しかし、3戦連続でトラブルに見舞われてレースを完走できないない。頑張る可夢偉の状況を、レース好きの自動車ジャーナリストの羽端恭一と[STINGER]編集長が追う。
羽端恭一(以下、羽端) それにしても開幕からいままで、ザウバーのクルマの状態はちょっとひどくないですか?
[STINGER]編集長山口正己(以下、[STG]) 残念ながら。
羽端 2010年に新規参入したチームだって、クルマをちゃんとグリッドにつけて、ドライバーを原因とする場合以外では、ちゃんとレースの終わりまで走ってるのに。
[STG] これまた同感です! とくにロータスはいい。
羽端 お、ロータス! 懐かしい響きの名前!
[STG] 単に名前を買っただけかと思っていたら、相当、ちゃんとした組織に見えます。たとえば、スタッフのウェアや小物を含む備品のクォリティがかなり高い。こういう部分は、通常後回しになるものだけれど、そこがしっかりしているのは頼もしいです。
羽端 なるほど、ザウバーはそうでもない?(笑)
[STG] ロータスはマレーシア政府がバックにいるので予算の心配がないのだと思います。
羽端 それはともかく、ザウバーはマシンのパフォーマンスとしては、予選を見ても、四強に続くセカンド・グループのなかでは、そんなに悪い方ではないと思うのに?
[STG] たしかにそう見えます。
羽端 それと、可夢偉もそしてペドロも、決勝レースをじっくり走って”味”が出せそうなタイプのドライバーでは?
[STG] 二人がコース上で争って、チームが心配になるくらいに(笑)なってほしいです。
しかしこれは、われわれではもちろん、可夢偉にもペドロにも何ともできないことなので、”待つ”しかないわけで。
羽端 それにしても、なあ・・・! マレーシアでは、ついにペドロの一台分、グリッドが空白になってしまったし。
[STG] だから可夢偉もフラストレーションが溜まっていると思うけど、彼の凄いところは、一切愚痴をこぼさないこと。思わず、可夢偉の方が年上と思っちゃったりします(笑)。
羽端 うん、あいつ、クールだから!(笑) あと、マレーシアでのプロブレムというのは、ザウバー・チームが・・・というより、フェラーリ・エンジンに起因するトラブルだったようで?
[STG] というか、エンジンのトラブルなのでザウバーの責任じゃないですね。ただ、エンジン本体のトラブルではなくて、コントロール系統がトラブって、それが原因でエンジンが壊れた。本家フェラーリのF.アロンソも同じトラブルだったようです。
羽端 それぞれのグランプリで、リタイアの原因がそれぞれ異なるというのは、むしろイイことなのか、それとも、こういう方がヤバいのか?(笑)
[STG] 同じトラブルが繰り返されるようじゃ、しょうがない(笑)。
羽端 ・・・ですね、その意味では、まだ”救い”はある、と。
(2につづく)
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