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重量発表で作戦が見えた!!・その1/3

金曜日のフリー走行後に、F1にタイヤを一社供給しているブリヂストンの浜島裕英モータースポーツタイヤ開発総括責任者は、「フューエル・コンサンプションは、アバウトですけど、2.5キロ/ラップ。フューエル・エフェクトは、コンマ36(0.36)秒/10キログラムです」とコメントした。

1周するのに使う燃料は約2.5kg、重量がラップタイムに与える影響は、10kgあたり0.36秒、という意味だ。これを元に、公表されたシンガポールGPスタート時点の燃料を眺めると、以下のようなことが浮かんでくる。

◆バリチェロは”狙っていた”
予選の終盤に、バリチェロ+ブラウンがクラッシュした。セクター1とセクター2でベスト・タイムを更新していたから、そのままコントロールラインを過れば、ハミルトン+マクラーレンのタイムを更新してポールポジションを手にすることができたかもしれなかった。
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R.バリチェロは、4レースを残した現在、14点差でチームメイトのJ.バトンを追ってシリーズポイント2位につけている。J.バトンからみれば、”目障りな存在”だ。R.バリチェロとしては、もっと目障りになってJ.バトンを追い込み、チャンピオンを射止めたい。

J.バトンがQ2でノックアウトしたのは、プレッシャーと無縁ではないはずだ。こうした状況では、追う方に分がある。ベテランのR.バリチェロはそれをよく知っている。

J.バトンがQ3に進出できないことを知った時、R.バリチェロは、”シリーズチャンピオン”の逆転の可能性が高まったことを感じたはずだ。そして、獲得のために、シンガポールGPがキーワードになると見抜き、655kgと申請した軽めの燃料でポールポジションを取りに行った。

しかし、R.バリチェロには、もう一つ、プッシュしなければならない理由があった、ミッション交換で5グリッドダウンが決まっていたのだ。J.バトンを逆転するには、限りなく前にいたい。だからプッシュした。しかし、攻めすぎてスピン-クラッシュで果たせず。

クラッシュしたマシンのコクピットを降りたR.バリチェロは悔しがった。当然だ。相手にかけるはずのプレッシャーを結果として自分にかけた形になってしまったからだ。

ところで、R.バリチェロがうまくゴールしたとして、そして5グリッドダウンのペナルティがなかったとしても、L.ハミルトンのタイムは上回れたかもしれないが、ポールポジションはとれなかったかもしれない。R.バリチェロのクラッシュで赤旗が提示され、アタックをやめた一人に、S.フェッテルがいたからだ。S.フェッテルは、R.バリチェロよりさらに4kg軽い燃料で、R.バリチェロと同じように”狙っていた”のだ。世の中、一筋縄ではいかないということだ。

【STINGER / Masami Yamaguchi】

予選ヨセン順位ジュンイ No. ドライバー チーム ソウ重量ジュウリョウ STG重量ジュウリョウ 目安メヤス
1     1   ハミルトン マクラーレン 660.5kg -9.5kg
2     15   フェッテル レッドブル 651.5kg -18.5kg ▽▽▽
3     16   ロズベルグ ウィリアムズ 657.5kg -12.5kg ▽▽
4     14   ウェーバー レッドブル 654.5kg -15.5kg ▽▽▽
5     23   バリチェロ ブラウン 655.5kg -14.5kg ▽▽
6     7   アロンソ ルノー 658kg -12kg ▽▽
7     10   グロッグ トヨタ 660.5kg -9.5kg
8     6   ハイドフェルド BMWザウバー 650kg -20kg ▽▽▽
9     5   クビツァ BMWザウバー 664kg -6kg
10     2   コバライネン マクラーレン 664.5kg -5.5kg
11     17   中嶋一貴ナカジマ ウィリアムズ 680.7kg +10.7kg ▲▲
12     22   バトン ブラウン 683kg +13kg ▲▲
13     4   ライコネン フェラーリ 680.5kg +10.5kg ▲▲
14     12   ブエミ トロ・ロッソ 678kg +8kg
15     9   トゥルーリ トヨタ 690.9kg +20.9kg ▲▲▲▲
16     20   スーティル フォースインディア 693kg +23kg ▲▲▲▲
17     11   アルゲルスォリ トロ・ロッソ 683.5kg +13.5kg ▲▲
18     3   フィジケラ フェラーリ 678.5kg +8.5kg
19     8   グロジャン ルノー 683kg +13kg ▲▲
20     21   リウッツィ フォースインディア 656kg -14kg ▽▽

<目安>
*670Kgを基準値として、重くなる場合は▲、軽くなる場合は▽
*▲と▽は、一つ=0~10kg、二つ=10~15kg、三つ=15~20kg、四つ=20kg以上

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