F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

［STINGER］編集長山口正己(以下、STG)：まぁ、そういっちゃうとオシマイですけど（笑）。

STG：ナイトレースとしての舞台もきれいだったし、10周年のレースにふさわしい内容でしたね。

STG：バーレーンでは、終盤、2台がすさまじい先陣争いをして、なのに3位と27秒差だったという。

STG：ですね。いかにメルセデスが速かったかということです。

STG：そうなりますね。開幕戦ではハミルトンにトラブルが出て、簡単じゃないと思わせたけれど、第2戦のマレーシアと第3戦のバーレーンでは、”簡単”だった（笑）。

STG：確かに。でもそれは、ちょっと比較が違う気がします。今年は、レギュレーションが大きく変化して、メルセデスがそこへの合わせ込みが猛烈に巧くできている。そうそうことかと。

STG：さらに、バーレーンでの終盤のメルセデス、ハミルトンが固いタイヤで、ロズベルグが柔らかいタイヤだった。

STG：という見方もできます。いずれにしても、メルセデスが、少なくとも現時点で圧倒的なのは間違いないですね。

STG：ちょうど、ホンダからメルセデス･エンジンになった2009年が似た状況でした。

STG：です。欲張らずに、KERS（運動エネルギー回生装置）も使わずに、まずはシーズン前半にポイントを稼ぎまくった。

STG：全盛時代は1988年、例の16戦15勝した1988年が中心になりますけど、その時のアラン･プロストとアイルトン･セナ、前年のウィリアムズ･ホンダのネルソン･ピケとナイジェル･マンセルは、まずはドライバーが別格でしたよね。で、その上にエンジンが圧倒的だった。F1の歴史のなかで、エンジンで勝てた、というのは、ターボ時代最後の数年と、今年だけじゃないかと思います。

STG：今年はまだ始まったばかりだし（笑）。

STG：しかし、2009年が始まる前に、1988年にホンダのエンジニアだった友人は、”圧倒的に強かった1988年のシーズンオフにそっくりだから、このまま、行っちゃうかも”と予測していて、その通りになった。

STG：でも、2009年のブロウンGP、いまのメルセデスの前身ですけど、シーズン終盤は決して最強ではなかったですから。

STG：そうなると思いたいです。フェラーリが力をつけて、アロンソとライコネンがライバルとして確執を起こしてくれるくらいにならないと（笑）。

STG：しかし、レース自体はとても面白かった。表彰台でインタビュアーを務めたロックグループAC/DCのリード･シンガー、ブライアン･ジョンソンが”歴史に残るレース”と言ったけれど、そのとおりだったと思います。あちこちでバトルがあって。たとえば、レッドブルのリカルドが、大立ち回りを演じたり。

STG：ですね。ウィリアムズの二人の先陣争いもこれから目を離せない状況で、まさに玉石混淆という表現がピッタリきてますね。是非とも、メルセデスに追いついてもっと混乱してほしい（笑）。

STG：ですね。今回の殊勲賞はフォース･インディアだと思います。

STG：位までのうち、レッドブルを除く6台がメルセデスのパワーユニットですからね。!!

STG：ですね。それからマクラーレンと、ついでにケータハムにも（笑）。

STG：そう言っているかどうか知らないけれど、開発スピードはすさまじいものがあるので、メルセデスもウカウカしていられないかも。

STG：いや、速くないわけじゃなくて、トラブルサムなだけと思いたいです。第2戦にノーズを換えたりしてちょっと足並みがそろっていない。ロン･デニスが戻って、体制を整えるのにもう少し時間がかかる、ってことかな、と。

STG：それも見方ですよね。去年のウィリアムズに比べてどれだけよくなっているかを考えると、まだまだ上がってくると思います。

STG：問題はそこですね。二人の確執を心配、というよりもしかすると期待していたのに（笑）。

羽端：ケーターハムにはひと言あります、完走は立派！　

STG：ですね。そこで喜んじゃうのもなんですけど（笑）。でも、まずは足元が固まったので、ここからどこまで上がっていくか。まずはQ2進出の常連になることを期待したいです。