予選10分前に持ってきて — マレーシアGP木曜記者会見
木曜日恒例のドライバー記者会見。2部構成の会見パート1には次の3名が参加。
パート2はこちら。
キミ･ライコネン（フェラーリ）
マックス･フェルスタッペン（レッドブル）
セバスチャン･フェッテル（フェラーリ）
※パート1のコメントのみ抜粋して掲載してあります。
全員がシンガポールでのクラッシュや今年で最後の開催となるここマレーシアでの思い出、フェッテルは将来フェラーリでフェルスタッペンがチームメイトになる場合やフェラーリが育成する若手ドライバーのシャルル･ルクレールに関する質問にそれぞれコメントした。
Q.シンガポールでは3台のマシンがグランプリの1ラップ目に姿を消すという痛みが伴う場面がありました。みなさんは今はどのように評価していますか？ また、どのようにして乗り越えましたか？
セバスチャン･フェッテル（以下、フェッテル）：そんなに評価するようなことはないと思うよ。あの日曜日の僕ら3人はツイてなかったけど、前に進むだけだよ。
マックス･フェルスタッペン（以下、フェルスタッペン）：ただ起きてしまった。それを変えることはできない。とにかくすごくツイてない瞬間だった。でもそれに対してできることはないし、僕はとにかくここへ来てまたやり直すだけだよ。
キミ･ライコネン（以下、ライコネン）：どうしようもないよ。間違いなくあの日曜日、あの週末から前に進んだよ。
Q.マックス、土曜日は20歳の誕生日ですね。あなたは来年レッドブルでレースをすることが決まっています。チームが来年あなたを満足させるためにはどんな改善をする必要がありますか？
フェルスタッペン：来年はチームも僕も勝ちたい。だからそれが僕らの最優先事項だし、そこからどうなって行くか見てみよう。
Q.キミ、マレーシアGPは今年で19回目、そして最後になります。あなたはその多くに参戦し、初優勝もここでした。このイベントがワールド･チャンピオンシップにどのように貢献してきたと思いますか？
ライコネン：まずここはすごくナイスなサーキットだよ。ここではずっとすごくいいレースが繰り広げられてきたからね。初期に比べるとみんな慣れて来たとは思うけど、それでも（ここでの）レースはよかったし、それが肝心だからね。それ以外のことに関しては重要じゃないよ。僕らはここにレースをしにきてるんだし、それが上手く行ってたんなら素晴らしいことだよ。
Q.みなさんにお聞きします。19年開催されてきたマレーシアGPは今年で最後になります。みなさんにとって一番思い出深いのはどのレースでしたか？
フェッテル：思い出深い一つがフェラーリと一緒に初めて勝った2015年だね。間違いなくすごく特別だったよ。（カレンダーのスケジュール上）シーズンの早い時期だったからまだフェラーリでの仕事を始めたばっかりだったからね。まだいい思い出はたくさんあるよ。本当にいい時間を過ごせたよ。ほかのすべてのレースをおぼえてるわけじゃないけど、2013年※はちょっと特別だよ。レースのあとにちょっと騒がれたけどね。でもいいレースだったと思うよ。
※当時レッドブルに所属していたフェッテルがチームの指示を無視してトップを走行していたマーク･ウェバーを抜いて優勝し、ウェバーがレース後にフェッテルに向かって言い放った”マルチ21″が話題になったレース。
フェルスタッペン：そうだね、僕はあんまり多くのレースをこなしてないけど、ここに来るのをいつも楽しんでたよ。いいトラックだし、去年も2位（チームメイトのダニエル･リカルドが優勝）になってよかったしね。もちろん勝てればよかったんだけどね。でもチームとしては素晴らしい一日だったよ。それが僕にとって一番の思い出だね。週末も上手くいけばもっとよくなるかもね。
ライコネン：ここが初勝利の場所だったし、ずいぶん前のことだね。でもすごく意味のあることだよ。それで2008年もフェラーリと一緒に勝って、フェリペ（･マッサ / 当時のチームメイト）ともいいバトルができたしね。間違いなくいい思い出もあるしいくつか悪い思い出もあるけど、同じ場所で何度も闘ってればそうなるよね。いい年もあればそうじゃないときもある。でもかなりよかったよ。
Q.みなさんは暑さをどのように対処していますか？
ライコネン：ゾッとするほどそこまで大きな違いがあるわけではないと思うよ。ほかのレースに比べるとだいぶ暑いし、シンガポールはかなり暑い。少なくとも僕はそこまで大きな違いがあるとは思わないし、たぶん水分摂取量が少し多いけど、まぁそんなところだろうね。これまでもそんなに過酷だとは思わなかったし、少なくともマシンに乗ってるときはね。よりハッキリ感じるのはフリー走行でボックス（ピット）に長く停まり続けてるときで、そのときは暑さがドっと押し寄せてくる。でも走ってるときはそんなに酷くなかったよ。
Q.セバスチャン、レース前に何リットル飲む必要がありますか？
フェッテル：どうだろうね。僕は水分補給をしようとしてるけど。みんながやってるようにね。いつもノドがカラカラだしずっと汗をかいてるけど水分は補給してる。それはみんな知っての通り。ある時点ではそんなに飲まないようにしてると思う。レース中は余計に（ピット）ストップしたくないからね。僕が言ってる意味わかるよね？(笑)※ 1日に2リットルは飲むように言われてるけど、少なくともここでのレースの日はその2倍かそれよりもう少し多めだね。
※お手洗いに行きたくなってしまうため。
Q.マックス、何か特別な準備はありますか？
フェルスタッペン：セバスチャンとキミが言ったことに同意するよ。
Q.セバスチャン、マックスがいつかフェラーリであなたのチームメイトになったらどう思いますか？ それからマックス、フェラーリでセブと組むことにどう思いますか？
フェッテル：わからないよ。グリッドで誰とでも闘える準備ができてる必要があると思うし、マックスは若すぎるし僕らもまだ先は長い。でもそうだね、何が起こるかはわからないからね。僕は彼（がレッドブルとしている）よりも長期契約を結んでるけど、F1は時間がかかることもあるからね。でも逆にすぐに変わるものもある。あまりのも先過ぎる将来のことを考えても意味がないよ。今の僕らのチームはかなり落ち着いてる。僕自身、みんな、僕らは今年どうなってるかわかってるし、来年がどうなりそうかもわかってるから、それがチームにとってもいいことだろうね。
Q.マックス、あなたはどうですか？
フェルスタッペン：そうだね、正直そんなに先のことは考えたいとは思わないかな。今の仕事に集中したいし、シーズンをいいカタチで締めくくりたい。自分のポジションは分かってるし、来シーズンが終わるまでもかなり時間があるから、とにかく待ってみよう。
Q.セバスチャン、ザウバーからはじめてフリー走行に参加するシャルル･ルクレールに対する考えを聞かせてください。非常に将来有望なドライバーで、いろいろと期待がかかっています。
フェッテル：そうだね、期待されてることに対しては彼はすでに十分証明してきたと思うし、あれこれ予想する必要はないと思うよ。彼は今年のマシンを開発するうえで間違いなく助けになってくれてる。（マシン開発のために）シミュレーターを使った仕事もたくさんこなしてるし、GP2（F2）ではここまでファンタスティックなシーズンを過ごしてる。少し浮き沈みがあったけど、そのスピードは素晴らしいよ。彼は上手くやれるって思ってる。彼にアドバイスは不要だと思うし、そうだね、そういうような予想とかは一切必要ないよ。彼はレースが好きみたいだし楽しんでる。僕はそれがカギになるレシピだと思うよ。
Q.みなさんにお聞きします。来年マレーシアにもどってこないことに対してさみしく思うことは何ですか？
フェルスタッペン：トラックのことだね。いつもこのトラックではエンジョイして走ってたし、それが一番残念なところかな。この暑さ、それは正直あんまりそうは思わないね。
Q.セバスチャン？
フェッテル：どうだろう、コレだ、ってひとつだけ明言できることはないと思う。サーキット、コンディション、いつでも降ってくる可能性がある雨っていう要素が混ざってるからね。すごくいいレースの場だったと思うよ。なんでもうここでレースをしないのかは深くは知らないけど、1年休んでまたそのあとに復活するんじゃないかな。
ライコネン：わからないよ。正直、何がさみしくなるかわからない(笑)。いいサーキットだけど、見ることができるのは空港、空港のとなりにあるホテル、それからサーキットだけだから、どれに対してさみしくなるかはその中から選べるんじゃないかな。
一同：(笑)。
Q.マックス、誕生日について話がありましたが、忙しいレース･ウイークエンドで誕生日を祝う時間はありますか？ 何かするのでしょうか？
フェルスタッペン：そうだね、ここは湿度が高いし暑いから、ケーキを作ってもそんな暑い日に食べたい人なんている？
フェッテル：食べたいよ(笑)。
フェルスタッペン：え、食べる？ じゃ予選の前にガレージに持って行くよ。
フェッテル：2時50分ね。（予選は現地時間午後5時から）
フェルスタッペン：わかった。マシンに乗って（ケーキを）取り分けた方がいい？
フェッテル：そうだね、2時55分に(笑)。
フェルスタッペン：OK、Q1でちょっと待って、それから出てくよ。
フェッテル：あ、違った！ 予選は5時からだった(笑)。
フェルスタッペン： よし、そうするよ(笑)。
【翻訳：STINGER】
Photo by Red Bull Racing / Getty Images/Red Bull Content Pool
