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ふたりに一杯おごらないといけない — アゼルバイジャンGP木曜記者会見

メルセデス、フェラーリ、それともレッドブル残留? 質問はリカルドに集中。

木曜日恒例のドライバー記者会見。今回は次の3名が参加。
ニコ・フルケンベルグ(ルノー)
ケヴィン・マグヌッセン(ハース)
ダニエル・リカルド(レッドブル)
※3人のコメントを抜粋して掲載しています。

今回の会見は、今シーズンでレッドブルとの契約が満了になるリカルドの去就に関する質問が集中した。

Q.ダニエル、あなたからお願いします。あなたが最後に参加した(FIA公式)記者会見は中国で優勝したときでしたが、そのときのあなたはとてもエモーショナルでした。それから2週間が経ちましたが、なぜあの優勝があなたにとってそこまで大きなものだったのでしょうか?
ダニエル・リカルド(以下、リカルド):そう大きなものでもないんだけど、それでもすごく特別に感じたよ。あの優勝はね。(去年最後に優勝したここ)バクーからしばらくぶりだったしね。勝って一杯やるのにかなり長い期間が空いてたし、レースのはじめにリタイアしたバーレーン(今年第2戦/警告もなしにすべてがシャットダウンした)での週末は過去最大級にガッカリしたレースだったよ。まだ何も始まってなかったしね。1ラップ目かそこらへんでリタイアなんてタフだよ。週末通して日曜日に向けて準備してきてるワケだし、そんなふうに終わっちゃうなんてね。バーレーンのあとは翌週に中国でレースでやり直すチャンスがあってよかったよ。そこからは、週末全体、土曜日のフリー走行はそのときもまたガッカリする時間だったけど、それで予選とレースでは上手く行ったからね。あれはクールだったよ。とにかくエモーショナルだったと思う。嬉しい方のエモーショナルね。そう、このスポーツでの浮き沈みを経験するとそうなるよ。

Q.レッドブルは今年、チャンピオンシップを闘えるだけの力があると思いますか?
リカルド:たぶんまだ誰も十分な域には達してないと思うよ(笑)。 だから僕はチャンピオンシップがどうとかは考えてない。僕は現状について考えたい。ただ、そうだね、僕らは(中国で)勝ったから”今の僕らはチャンピオンシップを闘えるのか?”って聞かれるのは当然だと思うケド、まだ始まったばかりだからね。ただ、チャンスをつかめる位置にいれば僕らはやれるってことを証明できたと思う。これからの数戦もこれを維持していくつもりだよ。

Q.ケヴィン、あなたの番です。ハースは4位の位置を賭けて闘っています。チームは現在の戦闘力を維持できると思いますか?
ケヴィン・マグヌッセン(以下、マグヌッセン):それはラクじゃなさそうだね。僕らはいいマシンを用意して、冬のあいだはいい仕事をしてきた。今年は完璧なスタートを切れてないけど、ミスなくレースをこなして行ければもっとやれるハズ。そうすれば僕らはもっといいカタチになると思うよ。

Q.ダニエル、あなたは来シーズンどこで走るかという大きな決断を下さなければなりません。レッドブルはあなたにとってよくご存じのチームですが、ほかのチームに移籍するなら新天地になります。ルイス(・ハミルトン)は数年前に似た状況を経験しています。彼は(慣れ親しんだ)マクラーレンを去り、メルセデスへ移籍しました。ほかのチームに対してどれだけ興味がありますか?
リカルド:分からないよ。僕に選べる選択肢があるなら、どれが一番速いマシンかだね。間違いなくそれが僕のリストの一番上にある。ただ変化のためだけにどこかへ移籍はしないと思う。もし移籍するなら、間違いなくもっとよくなるって確証が欲しい。それだけのことだよ。

Q.では、レッドブルに対して忠義を感じますか?
リカルド:確かにいつも少しはそれを感じてる。2008年にレッドブル・ジュニア・チーム(若手育成プログラム)に入ってから10年経ってる。だから長い付き合いだし、彼らはこのすべてを実現させるため、僕のために色々準備してくれた。それがずっと続いてきたワケだし、いつかは決断するときが来る。だけどそういうこととは関係なく、そこには常に何か関係があるし、僕は(チームへの)想いを示してると思うよ。

Q.ダニエル、よくなる可能性がある場所なら移籍の可能性があるとのことですが、前回のレースを振り返るとキミ(・ライコネン)はセバスチャン(・フェッテル)と渡り合っていましたし、彼は週末通して予選をを除いてセバスチャンよりも速かったです。もしフェラーリに移籍するとして、自分のためではなくほかのドライバーがワールドチャンピオンになるために闘うというキミと同じ役割を求められるという心配はありませんか?
リカルド:チャンスを感じられない場所には行きたいと思わないよ。現時点での僕の目標はワールドチャンピオンになること。それが僕のゴールだし、僕の夢で、僕にはそれが可能だと信じてる。だから、もし誰かに”こっちへおいで、でもきみにチャンスはないよ”って言われたら、僕には魅力的な選択肢ではないよ。それがどこかのチームで実際に起きてることかって? 僕にはわからないよ。ほかのチームで何が起きてるかは正直僕にはわからない。レッドブルでは常に明快だし、2014年にチーム入りしてからずっとフェアだったよ。確かにナイスな環境だし、どこもそういう環境が整ってると思うよ。

Q.みなさんにお聞きします。メルセデスがまだ勝っていないことにどれだけ驚きを感じますか? 今週末はその状況が変わると思いますか? また、それはこのスポーツにとっていいことだと思いますか?
ニコ・フルケンベルグ:彼らが勝てない要因になったものが常にあったと思うよ。メルボルンではセーフティ・カーに、上海も同じで、バーレーンでは覚えてないけど。僕はそんなに彼らのレースをそこまで深く見てなくてね。彼らはすぐ戻ってくると思うよ。彼らは最高レベルのパッケージを持つチームのひとつだし、時間の問題だよ。

Q.ケヴィンはどうでしょう?
マグヌッセン:付け加えることはないよ。

Q.あなたは驚いていますか?
マグヌッセン:そうだね、ビックリしたよ。

Q.ダニエルはいかがでしょう?
リカルド:彼らは今も速いし、多分状況とかまだ完璧なレース運びができなかったんだと思う。時間の問題だと思うよ。今少し状況が変わってきてるのはこのスポーツにとっていいことだと思うケド、この傾向のままとは思わないよ。ニコが言ったように時間の問題だと思う。彼らには速いマシンがあるからね。彼らを可能な限り抑え込んでおけるようにトライするよ。ただ、彼らはきっと毎週末で手強い相手になると思うよ。

Q.ダニエル、フェラーリ、メルセデス、レッドブルと来年についてどれだけ話を進めていますか? また、ルイスのとなりで闘うことになることについてはどう感じますか?
リカルド:まだレッドブルとしか話してないよ。去年の段階で僕らはすでにお互いオープンな関係だったし、メディアを通してみんな彼らが僕をチームに留めておきたいのは分かってると思う。僕らはそれに関する話をしたのは確かだよ。(去就について)いくつか記事が出てるのは知ってるけど、まだ何もしてない。それらは事実じゃないよ。少なくともこの瞬間までは間違いなくね。ルイスね。僕はベストに対してチャレンジしたいし、彼は恐らくそこにいるから、確かにそれはいいチャレンジだよ。今はマックス(・フェルスタッペン)やセブ(フェッテル)がいいチャレンジになってる。(闘う相手が)ルイスだけとは言いたくないけど、そうなったらいいチャレンジだよ。

Q.あなたのキャリアはここまでレッドブルがマネジメントしてきました。今年の終わりにはあなた自身がそれをやらなくてはならなくなります。あなたには今年、自身の将来にとって重要な交渉をこなし、トラックで最高の結果を残すことに集中できると思っていますか? また、マネージャーやアドバイザーはついているのでしょうか?
リカルド:そうだね、僕には小さなグループがついてくれてるよ。それをやってくれる人がいるし、まわりの人はかなり少ないままにすると思うし、それに満足してるよ。

Q.前出の記事についてですが、フェラーリと事前に何らかの話し合いがあったことを明確に否定できますか?(フェラーリの母国)イタリアではそのように報じられています。
リカルド:それは事実じゃないよ。それに関してはそう言い切れるよ。

Q.またダニエルに質問なのですが……。
リカルド:(自身に質問が集中しているため同席している)ふたりに一杯おごらないといけないよ。なんてこった!

Q.あなたは勇敢なドライバーなのでちゃんとした答えを頂けると思っています。現在のメルセデスの状況もあり、バーレーンで(リタイアしなければ)勝てていたと思いますか?
リカルド:それは上海で答えたよ。あなたが上海にいなかったのは知ってるけどね。僕は(そうなるように)トライしてただろうって話したよ。僕はレースに参加してなかったからあれこれ言うのはフェアじゃないと思うし、(最後まで優勝を賭けて闘っていた)セブやバルテリ(・ボッタス)の立場も考えずに話をするのはちょっとリスペクトに欠けると思う。僕に勢いがあったのは確かだけど、だからそう答えたってワケ。

Q.バーレーンはわずか2戦前でしたが、信頼性に関して不安はありませんか?
リカルド:心配って言葉は使いたくないよ。少なくとも僕としてはね。僕はただマシンを走らせるだけだから。僕の手の届かない部分でのことだし、心配しながら走るつもりはないよ。シーズン終盤には(パワーユニットの部品交換による)ペナルティを貰うとことになるだろうけど、現時点でのベースラインは問題ないよ。

Q.ダニエル、次の契約に期待することは何ですか? F1は2020年から(レギュレーションが)変わるため、あなたは2年以上の契約を望んでいないとしています。ほかのトップチームはすでに誰かをシートに着かせています。あなたはカギになる必須事項があると話しましたが、それは何ですか?
リカルド:カギになる必須事項なんて言ったかな?(笑) 契約に関する質問はこれ以上どう答えていいかわからないよ(笑)。本当に必要なことは、僕がワールドタイトルを勝ち取れる場所にいることだよ。さっきも話した通り、それは今僕がいる場所がそれに該当しないって意味じゃない。でもだからこそ時間をかけようとしてるワケだし、それにはまだ早すぎるよ。僕たちは確かに前回のレース(中国)で勝てたけど、現実的に考えてタイトルを賭けて闘うには1シーズンに1回だけじゃなくてもっと勝たないといけない。だから僕は時間をかけようとしてるんだ。それ(勝てる場所)が一番の優先事項だし、金銭面やそれ以外のすべてのことはそのあとだと思うよ。

Q.2020年以降に懸念していることは何でしょう?
リカルド:あんまりちゃんと考えたことはないかな。そのことは把握してるけど、それが懸念材料かどうかはわからない。毎年何かしら変わってるしね。人生に変化があるのと同じようにね。ドライバーたちの間では議論はしてるけど、このスポーツが進む先を心配してるわけじゃない。でもそうだね、個人的には今2021年について考えようとしてみると、まだずいぶん先のことに感じるよ。

Q.ダニエル、あなたは現時点でフェラーリともメルセデスとも話をしておらず、レッドブルとしか話をしていないと説明されました。締め切りは夏ごろだと思いますが、レッドブル以外のチームから話がない場合、メルセデスやフェラーリに状況を聞きに行きますか? それとも彼らがやってくるまで待つのでしょうか?
リカルド:悪い質問じゃないと思うよ。確かに夏ならよさそうだね。僕は来年シートがないとしてもあんまり不安に思ってないし、明日にでも(契約書に)サインしないといけないとも思わない。そういうワケで、僕は夏までどうなるか様子を見るよ。そこから何もないようなら、そうだね、ほかのプランや何かしら考えるだろうし、それがレッドブルだけならそこが僕の居場所だよ。だけどそのときまでは急ぐ必要はないと思ってる。

【翻訳:STINGER】
Photo by Aston Martin Red Bull Racing、Renault Sport Formula One Team

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