一大イベントが終わった次の目標は? — F1 フランスGP木曜記者会見
木曜日恒例のドライバー記者会見。今回は次の4名が参加。
フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)
ピエール・ガスリー(トロロッソ)
ロメイン・グロジャン(ハース)
エステバン・オコン(F.インディア)
※4人のコメントを抜粋して掲載しています。
アロンソはル・マン勝利で王手をかけたモータースポーツ3冠王の夢について、ガスリーはホンダのパワーユニットと来シーズンのレッドブル移籍の可能性、グロジャンとオコンは今回復活したフランスGP、そして全員が6週間で5戦も開催されるヨーロッパ・ラウンドについてそれぞれ語った。
Q.フランス人ドライバーからはじめましょう。この10年で最初のフランスGPです。ロメインはドライバーとしてどれだけ特別なことに感じていますか?
ロメイン・グロジャン(以下、グロジャン):すごく特別だよ。僕は2009年にF1ビューしたからフランスGPがなくなったあとだった。それから僕がF1にいるあいだはフランスGPについてあんまり話が出てなかったけど、(復活の)うわさが出てきて去年の段階でフランスGPが復活する方向で話が進んでることを聞いてた。グランドスタンドやそういった設備がある中でまたポールリカールで走れるのはアメージングだし、上手く行くと思う。素晴らしい雰囲気だね。それに南フランスは多分世界でも最高クラスの場所のひとつだろうしね。天気はすごく過ごしやすいし、レースをするにはとにかく美しい場所だろうと思うし、トラックに出るのがとにかくすごく楽しみだよ。
Q.ありがとうございます。エステバン、あなたは以前ここでレースをしたことがありますが、F1ではありませんでしたね。
エステバン・オコン(以下、オコン):うん、前にここのレースに出たことがあるよ。前にここ(記者会見場)に座ったときはもっと人が少なかったね。フォーミュラ・ルノー2.0で勝ったし、それが僕のシングルシーターでの初勝利だった。ただただファンタスティックな思い出で、ここに戻って来るっていうのは特別な気分だよ。もちろん初日からたくさんのファンが来てくれてるのを見てるし、初めて母国のみんなの前でレースをするのが待ちきれないよ。
Q.ありがとうございます。ピエール、この会場はどれほど素晴らしいですか?
ピエール・ガスリー(以下、ガスリー):そうだね、正直とにかく素晴らしいね。前回僕がここでレースをしに来たのは2014年で、今回は僕が来てたころよりグランドスタンドもたくさんあるし人もたくさんいる。2013年はエステバンともレースしてたと思うし、2014年はここでレースしてて、フォーミュラ4とフォーミュラ・ルノーで勝ってるからいい思い出がたくさんあるよ。初めてのホームレースのためにここに戻って来られるなんて信じられないよ。僕らはかなりツイてる。この10年、どのフランス人ドライバーもこの特権が与えられてなかったからね。僕の初(フル)シーズンに母国でレースするチャンスがあるんだからアメージングなチャンスだね。木曜日からたくさんの人が来てくれてるし、これからの数日でどうなって行くかがすごく楽しみだよ。
Q.ピエール、新しいエンジンについてですが、ここでのペナルティを避けるためにカナダでペナルティを受けましたが、カナダでは印象的な走りでフィールドを駆け上がって行っていました。新しいホンダが踏んだステップはどれだけ大きくて、それは今週末何を期待できるでしょうか?
ガスリー:そうだね、すごくいいステップだよ。パフォーマンスに関しては明確にいいステップが踏めてると思う。中団は超タイトだと思うし、常に改善していく必要があるけど、一貫性も改善してきてて、すべてがまとまりさえすればトップ10争いができることはわかってる。ただ、それができないとなると少し難しい状況になるよ。ここはどのチームも経験が浅いからいいチャンスだし、フリー走行を最大限に活かすのが僕らの務めで、アップグレードしたエンジンがあるからポイントゲットのためのチャンスが大きくなってる。
Q.ありがとうございます。フェルナンド、お待たせしました。今回はF1の記者会見ですが、FIA(国際自動車連盟)の記者会見でもあるので、先週末のFIAのレースの中でも最大級のレースのひとつに優勝したことについて、ル・マンでの経験、ル・マン24時間耐久レースのウィナーになった気分について聞かせてください。
フェルナンド・アロンソ(以下、アロンソ):素晴らしい気分だよ。そこにたどり着くのが僕の長年の夢だったし、ル・マンを経験してみて素晴らしい初挑戦だった。トヨタみたいな競争力のあるチームでフリー走行、予選、決勝を制覇できたのは素晴らしいね。僕らはチーム同士の2台で対決してたし、最終的に僕らの方が少しツイてたし、ちょっとだけ上手く行ったんだと思う。素晴らしい気分だけど今はF1に戻ってるし、3週間でモナコ、カナダ、ル・マンと3戦ですごく忙しくしてたよ。
Q.モータースポーツの三冠王のために2つを制し、残すところ1つになりました。インディ500に勝つことですが、現在あなたにとってその優先順位はどれほどでしょうか? できるだけ早くそちらに取り組みたいと思っていますか? それは来年でしょうか? F1の現役中にそれは可能ですか?
アロンソ:それについてはまだそんなに考えてなかったよ。去年も話したけど、インディ500は三冠王を目指す上ですごく魅力的なターゲットだよ。言ってみれば、より完全無欠のドライバーになるってこと。F1のマシンでだけじゃなくてね。ル・マンに勝ったから確かに目標に近づいたけど、来年どうするかは考えてみるよ。
Q.ピエール、レッドブルと組むようにホンダをプッシュしましたか? その提携をどう思っていますか? もしダニエル・リカルドがチームを離れれるなら、この提携によりあなたが上位チームに移るチャンスが広がったのでしょうか?
ガスリー:プッシュなんてしてないよ。僕に決定権はないからね。ただ、もちろん彼ら(レッドブル)にはシーズンのはじめからエンジンに関するフィードバックを求められたよ。彼らの決断を助けようと可能な限り正確なフィードバックを提供しようとはしたけど、もちろん彼らは舞台裏でもっとしっかり話をしたハズだよ。それから、そうだね、ダニエルのことに関しては、それを話すにはまだ早すぎると思うけどね。みんな予想したりしてるけど、現時点では重要な事柄は何も話してないよ。もちろんF1にいるんだから1番を目指して闘いたいし、僕はそのために闘ってる。ターゲットは可能な限り早くレッドブルのドライバーになってそのシートを得ることだけど、現時点ではまだ僕はF1初シーズンだしとにかく自分の仕事に集中してる。いい仕事をしてればチャンスをもらえることはわかってるし、今はそれをやる事だけに集中してるよ。だからダニエルがどうするか見守ろう。それに、そうだね、ちょっと早すぎるね。僕はとにかく自分のパフォーマンスとベストを尽くすことだけに集中しようとしてるんだ。
Q.フェルナンド、あなたはここでテストの経験があるものの、レースはしたことがない、これは正しいですか?
アロンソ:そうだね。
Q.では、シミュレーターで経験値を増やそうとしましたか?
アロンソ:シミュレーターでも走ってなくてね。だから明日どうなるか見てみよう。たしか2003年のR23(ルノーの2003年型マシン)のローンチ(初テスト)でここに来たと思うけど、僕らはカートのショート・サーキットを使ってたし、いくつか写真を撮影してシェイクダウンをしたぐらいだから正直あんまり覚えてなくて。よかったところとしてはフランスGPがカレンダーに戻ってきたってことで、ファンもいるし期待もされててレースそのものもだし、たぶんエキサイティングな要素はそろってる。それは今週末にとってすごくポジティブなニュースだろうね。ショーが上手く行くかどうかは日曜日にどうなるか見守ろう。
Q.フェルナンド、レッドブルがタイトルに挑むためにホンダ・エンジンを選んだことに驚きましたか?
アロンソ:僕が? 驚いたかって? いや、正直ほかのチームのことだから外から中がどうなってるのか測るのは難しいよ。僕らは彼らが持つデータをすべて持ってるワケじゃないしね。彼らがそう決めたんならそれでよかったんだと思うし、ホンダのF1での献身ぶりを示すことができてよかったと思う。だから驚きではないよ。両者の関係についてはここ数カ月いろいろ話題になってたけど、これでようやく公式になったね。
Q.フェルナンド、ホンダのエンジンをどう評価していますか?
アロンソ:わからないよ。僕が知ってることは、僕らのマシンに積んでるルノー・エンジンはかなりよく機能してるってこと。去年のこの時点では0ポイントだったし、今年はドライバーズ・ランキング7位でコンストラクターズ・ランキングも5位で、関係もこれまで以上に良好だよ。今、僕が知ってるのはそれだけ。
Q.みなさんにお聞きします。3連戦、6週間で5戦とも言えますが、その影響はありますか? やり過ぎでしょうか、それとも好都合ですか?
グロジャン:僕は好きだね。
オコン:そうだね、いいんじゃないかな。子供のころは毎日レースしたいと思ってたし、それが現実になったから夢が叶ったよ。その一方でメカニック、ヨーロッパを移動するみんな、トラックのドライバー、チームのみんなのことを考えちゃう。彼らにとってはすごくハードになるだろうし、可能な限り彼らがラクできるようにしないといけない。僕らはチームなんだし、みんなで支え合わないとね。
ガスリー:そうだね、僕もいいと思うよ。僕らはレース・ドライバーだし、とにかくレースしたいからクールだと思うよ。
アロンソ:僕は(WECを含め)9戦だし最後の3戦は大丈夫。
【翻訳:STINGER】
Photo by Force India F1 Team、Red Bull Toro Rosso HONDA、McLaren