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新春特別企画/ホットライン特別編・激動の2009から期待の2010へ(2/3)

◆F1への関わり方、そしてその身の処し方

羽端 2009年は、そういうメーカーがF1から「去る」という状況が、たまたま重なった。というか、量販車メーカーにとっては、そういう決断をするのがベターであるような世間的な状況になってしまったということかもしれませんが。ただ、その「身の引き方」については、スマートだったところと、そうじゃなかったところが(笑)あるようで。
[STINGER] こ れはそれぞれに事情や都合があるので、一慨にはなんともいえませんが、スマートだった会社とそうでなかった会社がありますね。2008年にホンダが、2009年にトヨタが撤退を発表しましたが、その間にF1休戦を発表したBMWと比較すると、日本のメーカーはもう少し形を考えてほしかった。

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お世話になった場に対するあいさつはきちんとしなくちゃいけない。

羽端 編集長は、トヨタに対しては”怒り心頭”みたいですが(笑)。
[STINGER] 筆足らずでそう取られてしまうけれど、怒り心頭に発しているのは、やめたことではなくて「やめ方」です。

羽端 あ、それは同感です。
[STINGER] でしょう? その表現の仕方だと思います。

羽端 私にしても、11月でしたっけ(正確には11月4日)、あの撤退のニュースを聞いたときは、「え、《いま》はないだろう、《いま》は……!」と思いましたもん! ガッカリもしたしね。2010年は、可夢偉と一緒に、さらには願いとしては一貴とともに、”赤と白のクルマ”はいろんなストーリーを描ける下地があったと思う。2009年があの程度だったから、あるいは、2009年にあそこまで「できた」から、その翌年があるんだ! こういう風にも思ってましたからね。何て”読み”ができない組織なんだ!……と。
[STINGER] 私もその意味でガッカリでしたが、眉間にシワを寄せたくなったのは、辞めるにしても2002年からお世話になったF1という場に迷惑を掛けない方法があったと思ったからです。例えば、MBO(マネージングbyアウト)といわれる形で、TMGに全権を委任して続ける議論が実際に行われていたけれど、いかにもサラリーマンらしい理由(会社のものをただで渡すのはどうしたものかというもの)でそれがNGになっています。まあ、その点については、すでにいろいろ書いたので、ここでは、おとなしくしていますけど(笑)。

羽端
 ただ、このメーカーは、基本的に「自前」でやるんだというポリシーは、ある程度通したといえるのでは?
[STINGER] だったとしても、お世話になった、でもいいし、利用したでもいいけれど、その”場に対する礼儀”はあってしかるべきじゃないかな、と思うわけです。

羽端 いや、その”自前路線”がよかったといってるわけじゃないです(笑)。このメーカーで、私がひとつ「わからない」のは、その”路線”でF1に勝てると思ったところ。
[STINGER] それはそれでありだと思います。身の程知らず、という考え方はありますが、それは逆の見方からすると”夢があるチャレンジ”ということですから。

羽端 ……60年代のホンダは、そうだったかもしれないですね。自分をひたすら信じて、というか。でも、90年代の情報化の時代に、たとえばイギリス人の助けも借りず──ホンダやスーパー・アグリは英国にファクトリーをつくりましたよね? かといって、イタリアのスピリットを導入するでもなく、レース的には”人里離れた”……と言っていいのかな? そんなドイツに拠点を設けて、既存のヨーロッパの「レース屋」たちとは違う方法で「F1レース」をやろうとした。
[STINGER] それ自体は悪いことじゃないと思います。ただし、金の使い方があまりうまくなかった。簡単に言えば払い過ぎ。だから、トヨタには、少なくとも2002年のデビュー以来、”金がほしい”スタッフは集まっても、”勝ちたい”メンバーが集り難かった。

羽端
 それはそうなんでしょうが、でも、そこはちょっと、あの会社には同情してます。というのは、開始した時点では、実績が皆無なわけだから、人集めの方策として、ある程度のカネは要った、と。
[STINGER] もちろん! でも、 順番から言うと、最初に”勝ちたい”という思考回路があって、結果としてそれには金がかかる、という順番だと思います。

羽端
 うーん、そうですね。ポリシーというんでしょうか、どうやって「F1」をやろうとしているのかが、よく見えなかった、というのはあります。
[STINGER]
 ストレートに言ってしまえば、企業としての見込みというか、調査不足といっていいと思います。ちゃんと等価価値が探査できていなかった。掛けすぎたのは自らの責任ということです。

羽端 
もうひとつは、彼ら(トヨタ)って、ゼロからのスタートでも、頑張ればすぐに、何年かすれば、何とかなる!……と思ってたフシがありますよね?(笑)。これがフシギというか、わからないというか、残念だったことです。まあ、状況が「見えてない」といえば、そういうしかないんですが。
[STINGER] 自分たちは世界一と思っていたのだと思いますが、実はF1ではそうではなかった。

羽端 生産車とF1はベツモノだった、ということですね。
(3/3につづく)

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