20年ぶりに復活したJAFグランプリ
2010年11月12日〜14日にかけて富士スピードウェイで「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2010」が開催された。これは日本レースの最高峰、Formula NIPPONとSUPER GTが同時に開催される史上初めての試みであり、20年ぶりに「JAFグランプリ」という称号が復活した。
【土曜日/Race1】
□Formula NIPPON
最高速をめいっぱい重視したクルマでルーキーのK.コッツォリーノがポール・ポジションを獲得したが、レースでは下位に沈んだ。2位グリッドからA.ロッテラーがスタートを決め、そのままトップを独走し優勝。2位にチームメイト大嶋和也が入り、チームトムスが1-2となった。3位には塚越広大が入った。
□GT300
ポール・ポジションからスタートしたGaraiyaはレースでは次々に後続に抜かれ後退。ASTON MARTIN、カローラAXIO、フェラーリF430の3台によるトップ争いとなり、フェラーリF430の平中克幸が優勝した。ASTON MARTINは2位に入ったがペナルティで後退し、最終結果は2位カローラAXIOの国本雄資、3位HANKOOK PORSCHEの藤井誠暢となった。
□GT500
ポール・ポジションからスタートしたZENT CERUMO SC430のR.ライアンが後続を寄せ付けずに優勝。2位以下は何度も順位が入れ替わる好バトルを展開し、大混戦となった。2位はKEIHIN HSV-010の塚越 広大、3位はカルソニック IMPUL GT-RのR.クインタレッリだった。
【日曜日/Race2】
□Formula NIPPON
ポール・ポジションのA.ロッテラーが会心のスタートを決め、トップを快走。2位以下を大きく引き離し、そのままぶっちぎりで優勝を決めた。A.ロッテラーは土曜日に続いて2連勝で、文句なしのJAFグランプリのタイトルを獲得した。2位はルーキー山本尚貴でノンタイトル戦ながら初の表彰台。3位はベテランの井出有治だった。
□GT300
予選3位のタイサンポルシェがグリッドにつけず、スタートではポール・ポジションのGaraiyaと2位マッハGOがフライングとなり、予選1位〜3位が上位にいない波乱のレースとなった。最初は日産Z2台による争いになったが、後方からF430フェラーリが怒濤の追い上げで次々と前車を交わし、田中哲也がトップ・チェッカーを受けた。2位はTOMICA Zの柳田真孝、3位はMOLA Zの横溝直輝だった
□GT500
2位グリッドからスタートしたENEOS SC430の伊藤大輔がトップで1コーナーに入り、最後までトップを譲らず優勝した。2位はMJ KRAFT SC430の大嶋和也、3位には12位グリッドから順位を上げたウイダーHSV-010の小暮卓史が入った。大嶋と小暮が最終コーナーからホームストレート、100Rコーナーまで延々2kmにもわたるホイール・トゥ・ホイールの争いを繰り広げるなど、随所で好バトルが展開された。
【JAFグランプリ獲得者】
□Formula NIPPON
1位→アンドレ・ロッテラー
2位→井出有治
3位→山本尚貴
□GT500
1位→ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム、伊藤大輔)
2位→ZENT CERUMO SC430(リチャード・ライアン、立川祐路)
3位→MJ KRAFT SC430(石浦宏明、大嶋和也)
□GT300
1位→JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(平中克幸、田中哲也)
2位→TOMICA Z(星野一樹、柳田真孝)
3位→COROLLA Axio apr GT(国本雄資、井口卓人)
□国土交通大臣賞(GT500クラス総合優勝チーム)
LEXUS Team LeMans ENEOS
【東西対抗戦】
FUJI SPRINT CUPでは東西対抗形式の団体戦も行われた。これはFormula NIPPON、SUPER GT、サポートレースに参加する全ドライバーを出身地別に東軍と西軍に分け、各ドライバーがレースで獲得したポイントと、ファンが購入した東軍・西軍それぞれのリストバンドの売上ポイント、イベント広場での東西グルメの売上ポイントを合計したポイントで勝敗を決める対抗戦だ。ファンにレースをより身近に応援してもらうために企画されたもので、買ったチームのリストバンドを購入すると2011年のスペシャルチケットが抽選で当たるというプレゼントもあり、かなりの盛り上がりを見せた。結果は東軍658ポイント、西軍586ポイントとなり、東軍が勝利を獲得した。