2010年はここに注目!!
去年で見納めだった給油作業。
今年から、レース中の給油が禁止された。ゴールまでを走りきる燃料を積み込むために、去年に比べてざっと100kg重いクルマでスタートすることになる。タイヤとブレーキへの負担は倍増。ゴールまでを見越した頭脳的な走りが要求される。波瀾含みの開幕戦に向けて、注目ポイントをお浚いしておきたい。
・M.シューマッハ復帰
41歳の帝王が、3年ぶりにグランプリ・フィールドに戻ってくる。年齢と経験のバランスをどうコントロールするのか。フェラーリ帝国を築き上げたロス・ブロウン代表とのジョイントも注目される。
・メルセデス・ベンツ復活
M.シューマッハとともに、F1での完全復活をもくろんでいるのがメルセデス・ベンツだ。”未来は夢によってつくられる”をスローガンに掲げるメルセデスの闘いぶりも焦点のひとつだ。
・小林可夢偉の挑戦
去年のラスト2戦に参戦した小林可夢偉は、新人とは思えないレースを見せ、チャンピオンのJ.バトンを向こうに回して大立ち回りを演じた。トヨタ撤退の後、BMWザウバーとの契約を取り付け、フル参戦のシーズンを待っている。テストの調子も上々。果敢なレースに期待が高まる。テストの状況を見る限り、シーズン前半に歯車がうまくかみ合えば、ひょっとすると表彰台もあるか。可夢偉は、”予選9位、決勝6位という見方はどうか”という問いかけに「堅いですね」とコメントしている。
・2年連続チャンピオンのコンビ
マクラーレンは、2008年ワールドチャンピオンのL.ハミルトンのチームメイトに、2009年ワールドチャンピオンのJ.バトンを迎え、連続チャンピオン・コンビを結成した。問題は、この二人のバランス。現状のままハミルトン優位でシーズンが進むなら、ハミルトンはタイトル争いに絡んできそうだが、リヤウィング疑惑でシーズン開幕前から、若干つまずき気味なところが気になる。
・F.アロンソ+フェラーリ
「待望の赤いレーシング・スーツが着られた」とF.アロンソは喜びを隠さない。決して相手を陥れるような狩猟民族にありがちな、闘い必須のはずの”奥の手”を使わない綺麗なレースで知られるスペインの英雄は、フェラーリの新型マシンを絶賛している。ハンガリーのアクシデント以来、7カ月ぶりのグランプリ復帰を「待ちきれない」というF.マッサとのコンビネーションも、今のところ悪くなさそうだ。
・一歩進んだレッドブル
A.ニューウェイの先進マシンだけではない。二人のドライバー・ラインナップが去年と変わらないのは、全チームの中でレッドブルだけだ。伸び盛りのS.フェッテルといぶし銀のM.ウェバーのコンビは、お互いを認め合い、無駄な争いもない、実に見事なバランスを保っている。テクノロジーの闘いにみえながら、実はこうしたところに”強さ”の秘密があったりする。
3月12日、日本から6時間遅れてフリー走行が始まる。しかし、そこではまだチームのポテンシャルは分からない。予選も、レースを睨んだ思惑がある。本当の強さが分かるのは、14日の決勝レースがゴールした時。しかし、それさえ、長いシーズンの1/19にしかすぎない。
可夢偉応援団[Come in KAMUI]、間もなくスタート!