F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集 F1 STINGER 【スティンガー】 > F1ニュース >   シーズン歓待特別企画 【浜島裕英、「2010年」を語る】 9/9

F1ニュース F1の動向が一目でわかる新着ニュースや最新トピックを随時更新。

シーズン歓待特別企画 【浜島裕英、「2010年」を語る】 9/9

100304MS.jpg

◆シューマッハ伝説、菅生F3000/幻の牛タン事件!?

—-シューマッハについては、彼がF3からF3000に上がって、日本の菅生でレースをしたとき、浜島さんを”困らせた”というエピソードがありますよね?
浜島 あれはねえ、食べ物の恨みで……(笑)。仕事が終わって5時頃、もう(BSスタッフの)みんなで下に降りていこう(帰ろう)という、そういうタイミングで、仙台だから牛タン食べようと、もう予約もしてあったところに、シューマッハが来た。

そこから、延々……(笑)。予選用タイヤの使い方がわからないから、教えてくれ、と。ヨーロッパ(のF3000レース)は予選用タイヤ、ないでしょ。だから、「スタート・ポイント」を教えてくれということで、(彼が)一番知りたがってたのは、これでしたね。

—-スタート・ポイントというのは?
浜島
当時の(日本F3000の)予選用タイヤって、けっこうバリバリだから、(性能が)1周、保つか保たないかくらい。ですから、本気で走りはじめるポイントを間違えちゃうと、コンプリート(十分な性能発揮が)できない。

—-ははあ、準備が十分でないのにアタックしちゃったとか、あるいは、アタック中にタイヤの性能が終わってしまうとか?
浜島 そうです。だから、予選タイヤでは、どこから(サーキットのどの地点から、アタックとして)走りはじめたらいいか、ということになる。(アタックラップの前の周の)最終コーナーからでいいのか、それだと温まりきれないからもう少し前からだとか、1コーナーで最も”おいしい”状態にしちゃっていいのか、いやそうじゃない、とか、そういう細かい話ですね。

—-それを延々と数時間?
浜島 そうです、だから、その日は牛タンに行けなくなった(笑)。それで、91年頃の菅生って、街灯もあまりなくて、日が暮れるとすごく暗いから、(シューマッハは)ガレージへの戻り方がわからないわけですよ。だから、アテンドしてあげて、(所属していたチーム)ル・マンのガレージまで送って行って……。

そしたらそこに、ちょうどアンダーパネルが立て掛けてあった。ジョニー・ハーバートと自分(シューマッハ用)のがあって、触ってみて(表面の)スムーズさが違う、と──。
これはこっちが勉強になったことなんですけどね、ああ(ドライバーは)こんなとこまで見てるんだって。

それで、その場で(メカニックに)換えてくれって言って、換えさせちゃうんですよ。……でも、(シューマッハって、そうやって換えさせて)ちゃんと結果、出すじゃない?
 
◆ワガママだけど、しかし、ちゃんと結果を出す!
浜島 F1のときも、(グランプリの)前の週の金曜日に、「このタイヤがほしい!」ってワガママ言って……。でも、次の週に(そのタイヤを)つくって持って行ってあげると、そのタイヤで優勝しちゃうんですよね! そうすると、次からもう”お断わり”できなくなるでしょ(笑)。(実際にタイヤをつくる)工場の人たちだって(優勝すれば)悪い気はしないですよね、多少苦労しても。

—-その菅生のときは、シューマッハはひとりで、BSの部屋へ?
浜島 いや、チームのメカニックと一緒だったと思います。日本人メカニックに連れてきてもらった、というか。でも、話し始めたら、すぐに(テーマは)タイヤの話のみ。予選用タイヤの使い方わからないから教えてくれ! 彼は、時間はムダにしませんからね(笑)。

—-そのとき、浜島さんはどんな印象を?

浜島 まずは、F3のときよりは筋肉がついたなって思いました、近くで見るとね。それと、勝ちたいというか、結果を出したい一心だというのが非常に見て取れる。でも、かといって、イヤミじゃないんですよね、人の言ってることもよく聞くし。

—-それは、彼がF3のときから?
浜島 いや、F3のときは喋ったことなかった。(シューマッハが)どういうヤツなのかというのは(そのときまでは)まったく知らなかった。

でも、F1になってからもそうなんだけど、あいつ(シューマッハ)は、”聞くべき人”のところへ、ちゃんと聞きに行くよね。

—-この問題の「解」を探すなら、誰が最も適任か?
浜島 そう、ムダなことはしない。この菅生でも、タイヤのことをメカニックと喋っていて、多くの場合はそれで(チーム内で)終わるんだけども、彼は、それならタイヤ・メーカーのところに(自分を)連れて行けと、そういうことになったんだと思われます。こういう「姿勢」は、F1になってもまったく変わってないですね。

はましまひろひで / 1952年、東京都出身。ブリヂストン入社後、乗用車タイヤの開発を経て、モータースポーツ用タイヤの開発を担当。1997年にスタートしたブリヂストンのF1参戦で総指揮を執る。現在、モータースポーツ・タイヤ開発総合責任者。フジテレビのF1グランプリでゲスト出演することも多い。F1関係者での愛称は「ハミー」。
 

【STINGER / text by Iemura Hiroaki】

1 2 3 4 5 6 7 8 9

記事が役に立ったなと思ったらシェアを!

F1 最新レースデータ

F1 ポイント・ランキング

F1ドライバーズ・ポイント
1位マックス・フェルスタッペン366ポイント
2位セルジオ・ペレス253ポイント
3位シャルル・ルクレール252ポイント
F1 コンストラクターズ・ポイント
1位レッドブル・レーシング619ポイント
2位フェラーリ454ポイント
3位メルセデス387ポイント

PARTNER
[協賛・協力企業]

  • CLOVER