ホットライン2010 round11 ドイツGP 3/3
◆フェラーリの「チーム・オーダー」問題、浮上!
羽端: 「チーム」といえば、このレースでは、フェラーリが罰金事件を起こしましたね?
[STG]ちょっと複雑ですね。
羽端: マッサは、記者団に、抜かれたときにクルマに何かトラブルがあったのか?と聞かれて、「何もない、ただ、パスされたんだ」と・・・。目が正直だった(笑)。
[STG]さらに「自分はプロだから、チームが有利になることをするのは当然」みたいなことも言ってます。
羽端: マッサあるいはフェラーリがもっと「狡かった」ら、「今日のフェルナンドは、きみより速い」というチームラジオがあってから、その5周あとくらいに、つまりみんなが忘れた頃に(笑)、ヘアピンで、ブレーキングを一瞬早めにして、アロンソがあそこで巧みに突っ込んできたんだ・・・という”芸”をした、かもしれない!?
[STG]いや、そういう”ボロ”はライバルチームが絶対に見逃さないですからね。で、私はもうちょっと意地悪なので(笑)、F.マッサがわざと、”何かが”見えるようにパスさせたんじゃないかと思っています。
羽端: うん、チームラジオを聞いて、すぐに”やっちゃう”というのは、マッサは、オーダーがあることを、みんなにバラしたかったんでしょう?
[STG]そうそう。彼としては、アロンソの扱いと自分の扱いの差に不満がある、ってことかも。アロンソはビッグ・スポンサーのサンタンデルを”持ち込んで”いるので発言権が大きいし、元々ワガママ、という人もいて、だからマッサとしてはおもしろくない?!
羽端: でも、アロンソはマッサを後ろから、一応「突っついていた」わけで、突っつけるということは、後ろのアロンソの方が速いということで、それを知らせること自体は、べつに「チーム・オーダー」ではないのでは?
[STG]いや、チームがラジオで「今日はフェルナンドの方が速い」と言ってしまったら、そのままチームオーダーになっちゃいます。
羽端: あ、そうか。「後ろから速い他車が来ているぞ」というのとは違うわけか。でも、いつかのレッドブルみたいに、「チーム同士で絡むんじゃないぞ」ということ。この指示は、チームであるなら、出したいですよね。
[STG]しかし、絡むなと言ってそれを阻止しても、ドライバーそれぞれのマインドを制御するのは簡単じゃないですからね。
羽端: まあね・・・。どっちも勝ちたくてレースをやってるわけだし。
[STG]トップチームは、二人の強豪をそろえる。それは強くなるためだけれど、そのことが最大の弱点になる可能性もあるってことですね。
羽端: ところで、基本的なギモンなんですけど、「チームラジオ」って、チームがアロンソに言ってることを、マッサも聴けるのかな?
[STG]それはチームによって違うと思うので、フェラーリがどうかは分かりません。エンジニアの言うことは全員に聞こえて、メカニックにも聞こえるだけで声は出せないとか。
羽端: なるほど、いろんな使い方ができる、と。・・・まあ、そうでしょうね、チームの全員が共有しなければいけないという情報と、誰かだけに伝えたいという情報があるでしょうから。