ホットライン2010 round15 シンガポールGP 2/3
◆最初で最後のチャンスを逃さなかった可夢偉!
羽端: そして、可夢偉もよかったし、ね!
[STG] 最後はぶつかっちゃったけど。
羽端: いや、リザルトが･･･という説もあるかもしれないけど、それをいうなら、あの予選は十分以上のリザルトでしょう！
[STG] おっと、いつもならこっちから伝える状況を反対に言われた(笑)。たしかにその通りですね。今回の予選はスーパーだった。予選後に、可夢偉に「やるね!!」といったら、「でしょ!」とガッツポーズしてました。冷静な可夢偉がああいう態度をするのは珍しい。
羽端: 可夢偉のコメントでちょっと感動したのは、タイムを出したQ2での走りについて。あれ以上のタイムは出ない、といいきれる評価力。クルマのポテンシャルは百パーセント引き出した、可夢偉のフレーズでいえば「まとめた」んだという自信。そういう走りって、おそらく、年に何回もないと思うんですよ。
[STG] 完璧だったと思います。
羽端: あ、コメントといえば、レース後のもよかったな。あんなに遅いやつはいない!というから、誰のことかと思えば、シューマッハだった(笑)。
[STG] そばで聞いてるこっちは、なんだか面食らっちゃった(笑)。
羽端: ……で、「危ないヒトですよー」とかいいながらも、しかし、ちゃんと抜いてみせる!
[STG] 可夢偉は、M.シューマッハをただのオジサンとしか思っていない(笑)。しかし、見方によっては、そのM.シューマッハにハマって、タイヤを傷めた、という見方もできる。可夢偉自身、抜いた後のスパートを「もう少し待ってタイヤ冷やしてからにすべきだった」と反省してます。
羽端: そのあとのクラッシュは”単独”だから、彼の責任といえば責任でしょうけど、でも、あれは責めたくないな!
[STG] 同感。やらねば、のアタックで、結果的にクラッシュした。なので、ペーター･ザウバーさんも、「しょうがないね」と、ちゃんと観てくれていた。
羽端: そういえば、ザウバーって、クルマとしてシンガポールには”合わない”はずだったのでは?(笑)
[STG] ですよね。だから予選のQ3進出は見事だった。で、N.ハイドフェルトの前だったことを、「最初が肝心なんで」てなことを言ってます。直接そうは言っていないけど、”最初に、見せるものを見せておいた”ってことでしょ。
羽端: 予選Q2で、フォース･インディアとトロ･ロッソとペトロフ／ルノーの間にいるハイドフェルト、48秒557。ここがシンガポールでの、ザウバーの、クルマとしてのポジションだったんじゃないのかな?
[STG] と思います。
羽端: でも可夢偉は、そこからほぼ1秒削った1分47秒599。これはほんと、すごいと思いますね!
[STG] N.ハイドフェルトに対するある意味でのライバル意識も効いたと思います。冷静な意見では、”現在のF1は気合じゃ速くならない”と片づけられるかもしれないけれど、そう感じさせる可夢偉は、やはりなかなかだな、と。
羽端: そして、ルーキーに「あまりに遅くて参りましたよ!」といわれちゃう、オーバー･フォーティの元チャンピオンは、早く、自身で見切りをつけて、後進に道を譲ってほしい。その方が、F1界がはるかに活性化すると思う。
[STG] どうでしょう。こうして、ちゃんと可夢偉のポテンシャルを証明する格好の材料になっていることだし。冗談はともかく、R.ブロウンも、マイケルは現役時代と同じと語っているし。
