ホットライン2010 round 5 スペインGP 4/4
◆可夢偉の快挙! ビッグ4に割って入る!
羽端 それにしても、可夢偉は! ついに、やりましたね!
[STG] 決勝は残念でしたけど、予選は完璧。「今日は100点だったね」と予選後に伝えたら、「そうですか」と照れていました。
羽端 ビッグ4に・・・って、ここではビッグ4という言葉を使うけど、それ以外で、今年、4×2=8人という強固な”砦”の壁を壊した、唯一のドライバー。それが可夢偉でしょう!
[STG] Q3はワンアタックでした。全員が走行を終えたのを見計らってアタックに出た。そのタイミングも抜群だったし、ノーミスで渾身の一発タイム。
羽端 手持ちの札、それを最大限に使えるのはいつか? そして、どう使うか?
[STG] 実は、古いタイヤしかなかったんだけれど、他のドライバーが新品タイヤでアタックする前のその段階では7番手のタイムでしたから。これにはチームも驚いたという話しです。
羽端 決勝レースは、アクシデントで──あ、あれはアクシデントといえるのかな、暴れん坊くんに絡まれて、ちょっと残念だったけれど。でも、あそこで止まっちゃわないというところがすごいと思った。
[STG] 同感!! 彼はやってくれますよ。ただし、そうそう突然変異は起きない。徐々に、ですね。彼もチームも、目標を秋に置いてます。マネージャーも、”去年のことで覚えているのは、イタリアGP以後のことじゃないですか? いまあわててもしょうがない”とどっしり構えた考え方です。
羽端 可夢偉のザウバーもモディファイされたんだけど、それについて可夢偉は、「クルマがもっと”自分寄り”になってきたというか、自分のクルマにできてきた」。「乗りやすいんじゃなくて、自分とクルマがもうちょっと『合ってきた』ということ」。と、会見で語ってますね。
[STG] “方向”として間違っていなかったことを確認できた。ということで、可夢偉だけでなく、チームも、そしてその方向付けをしたテクニカル・ディレクターのJ.キーも、自信をもったレース言えると思います。
羽端 さっきのシューマッハにしても、可夢偉にしても、このへんの”微妙な感覚”というのが走りを変えるというか、タイムに結びつくんでしょうね。
[STG] そしてチームを自分の方に向ける。これも大事なドライバーの能力と思います。
羽端 おお、そうですね。そのへんは、シュー先生は・・・。
[STG] はい、その点では間違いなく、史上最強のドライバーです!
羽端 でも、モナコではどうなんだろう、ザウバーは?
[STG] わからないですね。でもひとつ言えるのは、可夢偉はスペインGPの前に、「バルセロナはクルマがよければ誰が乗っても速いコース」と言っていました。つまり、ザウバーのマシンは悪くないともいえそうです。
羽端 あ、というのはね、スペインでは、ハード側のタイヤの方がマッチングがよかったと、可夢偉は語ってます。・・・で、モナコでは、タイヤがスーパーソフトとミディアムですから、ザウバーだいじょぶか?と(笑)もちろん、同じセッティングで走るわけではないですが。
[STG] なるほど、それもだし、モナコはクルマよりドライバーの腕前がモノを言うコースなので。
羽端 ともかく、可夢偉/ザウバーのおかげで、F1世界がダイナミックに動き始めたという感じがします。
[STG] そう! それが大事。そう思えることと、そう思わせるドライバー。小林可夢偉の本領が見え始めたってことで(笑)。あ、M.シューマッハにF.アロンソ、それからM.ウェバーもわすれちゃいけないですね。