ホットライン2011 round17 インドGP 1/3
クルマ好きのエディター・羽端恭一さんとSTINGER編集長が、インドGPの裏舞台をズバリ診断する。
◆短すぎたインドの秋、可夢偉は一周で・・・
羽端恭一(以下羽端):えー、今回私は、ひたすら”聞き役”ということで(笑)。
[STINGER]編集長山口正己(以下STG):了解です。ブッダ・インターナショナル・サーキットでずっと聞き役だったので(笑)。
羽端:可夢偉のインド、その”短すぎたレース”を振り返ると?
STG:あっという間に終わってしまったけれど、ここには深〜い物語があるのですよ。
羽端:うん?
STG:スタートは、絶妙だった。実は今回、視点を変えて、グランドスタンドからスタートを見物していたんです。
羽端:いつもはメディアセンターよね?
STG:です。が、今回初開催ということで、インドの人たちが、F1で最もインパクトがあるスタートの瞬間に、どんな表情をするのか見たかった。カルチャー・ショックを受けて驚く顔を見て、”ほらね、F1て凄いでしょ!”とニンマリしたかったので。
羽端:フフフ・・・。でどうでした。
STG:インド人もビックリ(笑)。
羽端:ハッハ、そりゃいい!(笑)
STG:なんだか一気に仲間がドカッと増えた気がして、何せインドの人口は11億人とのことだけれど、近いうちに中国を抜いて世界一になるらしいし。
羽端:かなり前だけど、インド旅行をするんで旅関係の資料を見ていたのね。そこにインドの人口というのがあって、11〜12億とか、まあ正確な数字は忘れたけど、そういう数になってた。・・・で、ここで言いたいのは数字の大きさではなくて、「〜」という統計的な一種の誤差が「1億」だということ。誤差が、日本の一国分!(笑)
STG:決勝日は95,000人と発表されていました。テレビで見た人もいるし、それに、映画大国であることを考えると、スペクタクルなF1GPは、人気が出る気がする。
羽端:うん、決勝日をテレビで見ていても、人が入ってるなあ!と思った。チャイナやコリアとはヒート度が違うような? そういえば、ミスター・ビーンが映ってましたね。
STG:マクラーレンのゲストで来てたんです。彼は、マクラーレンのロードカーのオーナーで、大のF1好き。そういうことも情報として広がれば、インドGPでのF1人気につながるかな、と。
羽端:なるほど。で、スタートは?
STG:可夢偉のグリッドのちょうど真横で見物したので、スタートの瞬間のダッシュの鋭さで、”やったぁ!”と思った。
羽端:スタートが決まって、例の”フィッシュ”の再現か!と思いましたよね。
STG:そうそう。しかし、1コーナーの進入が、アウトにしかラインを取れなかった。できれば、イン側にいたい。
羽端:・・・というと?
STG:アクシデントがあったら、マシンは普通、外側にとばっちりが来るから。
羽端:フムフム。
STG:もちろん、それは”確率として”ということであって、絶対外はダメってことじゃないけれど、まさに今回はそのとおりになっちゃったわけです。1コーナーに進入した時、”バリチェロと当たるなぁ!”と祈ったんだけど(泣)。
羽端:スタートがうまくいったからこそ、前のグリッドのR.バリチェロの横に出られた?
STG:でも、そのR.バリチェロが、チームメイトのP.マルドナドと当たって、左の可夢偉の方に寄ってきて、可夢偉はしかたなくコースを外れた。さらに悪いことに、コースに戻ったところに、進入スピードが高すぎてアウトに膨らみながらコーナリングしたT.グロックと進路が交錯した。
羽端:おお、バッドなことが全部重なった感じ?
STG:ですね。で、そうなる布石が、実はあった。
ホットライン2011 round17 インドGP 2/3に続く。