ホットライン2011 round7 カナダGP 2/2
◆決勝レース、雨ならザウバーは”店仕舞い”だったはずが?
羽端:でも、思わず可夢偉も、「運には恵まれなかった」という意味のことを語ってたと思いますけど、たしかにそうでしたね。
STG:2時間待った、羽端さんが見られなかった後半部分についてだけ言えば、そうかもしれないですが、でも、その運、大事ですね。それを引き込む運気を可夢偉は持っている。
羽端:あ、そうか! 雨という”運”に恵まれて、一時は2位まで上がっていたと考えると、まるで運がなかったということでもない。
STG:前の方を走れたんだから運はあった。
羽端:それにしても、決勝が雨なら”店仕舞い”ですよ、なんて言ってましたよね、可夢偉はレース前に?(笑)
STG:私もレース中にそればっかり考えていたんですが、どうやら二つの理由が考えられますね。ひとつは、可夢偉以上に他のドライバーがいやがっていた(笑)。
羽端:ははぁ、可夢偉は「雨だと、うちのクルマはもっと遅くなりますよ」ということで、ああ言ったんでしょうけど、でも、ほかのクルマは「もっと×2」くらい、遅くなっちゃったんでしょうね。だから、そもそものベースは速くない「ザウバー/可夢偉」だけど、雨で遅くなる程度が「もっと×1」くらいなら、相対的には他車より速くなる。こんなリクツだったかも。
STG:もうひとつは、雨だと誰も縁石に乗ってシケインカットができない。可夢偉のザウバーは、ドライ路面でも、縁石に乗ると、どこに飛んで行くかわからない、ってことでした。
羽端:なるほど。
STG:雨だとツルツル路面で他のマシンも縁石をカットできない。要するに、ザウバーだけじゃなくてね。だから差がなくなったとも言えそうです。
羽端:ははぁ、雨によって、差がなくなるってことか──。
STG:つまり、運転手の”腕”。今回は可夢偉の走りは冴えてたと思います。
羽端:そうですね! だって、ある時点で可夢偉より「前」にいたのは、あのセブだけ! たったひとり! これは眠気は吹っ飛びます。その意味で、”雨のカナダ”は史上稀に見るすごいショーでした!
STG:羽端さんお得意の(笑)モーソーを膨らませると、本人もそう思っていたらしいですが、赤旗解除の後のままのコンディションだったら、表彰台に行けたかも。
羽端:さらに、モーソーさせてもらえばね(笑)、大事にレースしたいセブは、念のためのニュータイヤということで、交換にピットに入る。でも、失うものがない可夢偉は、ヘビーレインでタイヤがあまり傷まないことを理由に、エンエンと走りつづける。そうなると・・・!?
STG:はいはい(笑)。
羽端:ということで、楽しみはあとに取っておきましょう! ・・・うーん、ハンガリーも豪雨だぞ、きっと?(笑)
STG:縁石使えるコースじゃないと(笑)。
羽端:ただねえ、あまり”豪雨すぎる”と、レースそのものが行なわれなくなっちゃうかもしれないので(笑)。
STG:それはそう。リスクは過ぎると、ただの 度胸試しになっちゃう。そもそも危なすぎる。
羽端:あと、マクラーレンも、そしてフェラーリも速くなってきたので、シーズンの後半は、三つ巴という、さらに激しいバトルになるのではないか、と。ほんとの”三強時代”になっていくようで、こういう意味でも、後半戦はおもしろくなりますね。
STG:レースになると、エンジンの負担が大きくなるブローン・ディフューザーとやらが使えなくなる。その効果が大きいレッドブルはだから速い。でも、それ自体が禁止になる可能性もあったりしてますね。とにかく中盤戦が楽しみです!!