マクラーレン・ホンダと予選の行方!?–2016F1GP第3戦中国GP土曜日
静かに予選開始を待つマクラーレンのホスピタリティブース。バトンが微笑んでいる。
2016F1GP第三戦初日のフリー走行のデータやコメントから、マクラーレン・ホンダへの期待の目標が見えた。当面の目標である『Q3進出』の可能性が高くなったように見えるからだ。
フェルナンド・アロンソとバトンは、11番手と12番手。ここまでのマクラーレン・ホンダのポジションとしては、上出来の仕上がり。それに対して以下のコメントだった。
初日を終えたジェンソン・バトンは、「もう少し戦闘力を高められそう」と、言った。ホンダF1レーシングの長谷川祐介F1プロジェクト総責任も、「もう少し行けたと思う」とコメントした。
問題はタイヤのようである。ピレリからの内圧設定の指定
が、安全を見越して高く取ってある。多くの関係者はそこまで高くする必要はなのではないかと”不満”を持っている。マクラーレン・ホンダ関係者もその例にもれない。減りが早く、安定しないので、セッティングが出しにくい、という。
エンジンパワーについては、「ドライバーはどんなときでも”モアパワー”と言いますから」と笑顔で答えた長谷川F1プロジェクト総責任の言葉を待つまでもないが、今回はドライバーからの”不満の声”はなかったようだ。
それは、上海サーキットが、バーレーンのザヒール・サーキットほどパワーに依存しないコースレイアウトだからだ。
もちろん、アロンソが言うとおり、「もっと速くなるためにはいくつか変更を加える必要がある」ことは間違いないが、ウェット路面はパワーの差が比較的少ない状況を創り出す。
長谷川F1プロジェクト総責任は、遠慮気味に「中団グループにおいて行かれないように」と言ったが、フリー走行1と2の結果から、マクラーレン・ホンダは拮抗した中団グループの中央付近に位置していると思える。
降水確率が80%〜100%の予報が出ている中で、マクラーレン・ホンダがどんな予選を闘うか、中国GPの予選が楽しみになってきた。
[STINGER]山口正己
photo by [STINGER]