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松下信治、ザウバーのテストで合格点!!

肝っ玉のでかさを証明するように、冷静に121周をこなした。

マクラーレン・ホンダの活躍に沸いたハンガリーGP、その舞台のオンガロリンク・サーキットで、F1の合同テストが始まり、2日目に、FIA-F2に参戦中の松下信治がザウバーのステアリングを握った。

松下信治は、ハンガリーGPのサポートレースのレース2で完璧な勝利を飾っているが、その2日後にF1に乗り込んで121周を消化、この日最多ラップだったルカ・ギオッティの161周、ロベルト・クビカの141周に続いて3番目の周回数を記録した。

松下信治は、距離にして計算上529.98kmを走破したが、この距離は、金曜日のフリー走行1の搭乗の権利を得るための300kmを走破し、この日の目標をクリアーした。

タイムは1分21秒台で、ハンガリーGPのエリクソン+ザウバーの2秒落ちだが、そもそも、予選アタックではなく、それ以前に、ザウバーは、来年松下信治をバックアップするホンダとのジョイントを解消した後。周辺状況を考えると、速いクルマが用意されるとは到底思えないことや、フェルナンド・アロンソのマクラーレン・ホンダがハンガリーGPで最終ラップに記録した全車中最速のファステストラップが1分20秒182だったことを考え合わせると距離もタイムも上出来の結果と言えるものだった。

余談になるが、過去、日本人ドライバーがF1を始め、海外のチームからどう扱われたかを見ると、チームにとって最優先事項は、クルマを壊さないことだと分かる。

これはインディカーのオーバルテストが最たるもので、チームが新人を乗せる場合、クルマを壊されないために、弱オーバーが速いとされるセッティングをかなり強めのアンダーステアにして走らされるのが新人ドライバーを乗せる場合の鉄則。

チームは、走れる最低線のマシンをあてがいたがる。古い例になるが、1980年代前半にロングビーチGPのサポートレースのフォーミュラ・アトランティックに参戦した和田孝夫は、ギヤ比の変更を要求したが、エンジンを壊したくないチームは聞き入れず、ウィングだけで対応したがった。2003年に高木虎之介がポールリカールでトヨタF1をテストした時には、アメリカから移動した時差が無視された上に、ラバーの乗っていないコースで走らされてそのタイムが日本の本社に伝わった。

時には意図的に遅いタイムを想定したクルマがあてがわれることを考えると、今回の松下信治の記録した周回数をとタイムに、もしかするとチームは、ホンダとの契約解消を少しだけ後悔したかもしれないほどの上出来と言える。

また、今回の松下信治のテストは、ホンダと契約が切れたザウバーであることを考え、“無意味”という声もあったが、まずは“壊さずに121周を走破”という大きな収穫を松下信治が手にしたことは間違いないところだ。

松下信治は、マクラーレンのシミュレーターなどを含めて積み上げた経験を活かすことができ、自信も付けたはず。テストをしたから即本番、というほど甘くないけれど、まずは一歩前進の松下信治に、ハナマルを贈りたい。

[STINGER]山口正己
Photo by Sauber Motorsport AG / WRI2

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