イタリアGPでデモラン!!RA300裏話-2◆摺り切りいっぱいの燃料
イタリアGPで、優勝50周年を記念してデモランを行なうRA300は、コンストラクターとローラ社の共同開発で、凄まじい突貫工事でたったの6週間で急造された。
いかに急造だったかは、レース後の燃料タンクも証明した。
完成したのがイタリアGPのスケジュールギリギリで、満足なテストもできなかった。現在、『グッドウッド・フェスティバルofスピード』が行なわれるあのグッドウッドに存在するグッドウッド・サーキットに持ち込んだものの、文字通りシェイクダウンで転がしはしただけで、データを撮るところまでいかなかった。当然、燃費の確認もできないまま、摺り切りいっぱい燃料を入れてスタートすることになった。
ゴール後調べたところでは、残りの燃料は3リッター。当時の燃料ポンプでは、残り2リッターが燃料を吸える限界と言われていた。
[STINGER]山口正己
photo by YOSHIO NAKAMURA