緊急ヘリ飛べず、走行できない初日–2017F1GP第2戦中国GP初日 トピックス
緊急ヘリコプターは、テストでも必須。写真は、2011年のバルセロナ・サーキット。
開幕戦のメルボルンから2週間、舞台を中国の上海サーキットに移して第2戦が幕開けした。しかし、上海は、いつもどおりのスモッグに加え、雨による霧が上空を覆い、セッションはほとんど走れないままで終了した。
上海サーキット上空は問題なかったものの、ヘリコプターが向う先の上海市内の提携病院周辺の悪天候で緊急ヘリコプターの飛行が許可されず、午前中も午後もフリー走行は赤旗が提示され、午前中に20台の参加車中14台が最高6周を走っただけで一日が終わった。午後のフリー走行2は、セッション開始から赤旗が提示され、走行は行なわれなかった。
明日の上海地方の天気はやや上り坂との予報だが、明け方まで雨が残るとも伝えられ、明日ならないと状況は見えないが、一端好転する天候が再び決勝レースが行なわれる日曜日に悪化する可能性を考慮して、土曜日に決勝レースを行なうのではないかとの憶測も飛んでいる。
◆ヘリコプターが飛べない
ヘリコプターは、クルマと同じ地図を使って飛行する有視界飛行を行なうため、それぞれ決められた視界を確保できないと飛行が許されない。緊急ヘリコプターの問題は、中国GPの主催者に、今後の課題を残したことになる。
解決策としては、至近距離にF1GPに対応できる病院を確保する方法があるが、それは簡単なことではないが、たいおうできなければ今後の開催に待ったがかかる可能性がある。
一方で、ヘリコプターの性能の見直しも検討事項だ。飛行機もヘリコプターも、霧などの場合に備えて、有視界飛行できる距離などが決められているが、最新式になるほどレーダーなどの性能が高くなり、厳しい条件の中でもある程度までなら飛行が許されることが考えられる。病院を探すより、緊急ヘリコプターの性能を上げることが先決問題かもしれない。
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