2017F1GP残り4戦の注目点
鈴鹿が終わって脱け殻になった方もいるかもしれない。特に、鈴鹿でやってくれそうだったフェルナンド・アロンソの金曜日の35グリッドダウンでまずはいきなりアッパーカットで鼻先を押さえ込まれ、スタート前の横山剣さんの君が代で立ち直ったと思いきや、なんと、セバスチャン・フェッテルがスパークプラグのトラブル。望みをかけたヴァンドーン+マクラーレン・ホンダが2コーナーの先で押し出されて最後尾。ナンテッコタァの鈴鹿だった。
さて、残りは4戦、今週末はオースチンのサーキットof the アメリカズのアメリカGP。どんなレースになるのだろうか。気になるのは、以下の要素。
◆ハミルトンvsフェッテルのタイトル争い
データ上では、ほぼハミルトンに決まった。シンガポールでライコネンと同士討ちした瞬間から、セバスチャン・フェッテルは悪夢が連発。フロントローからスタートした鈴鹿でも、スパークプラグのトラブルという珍しいトラブルに見舞われた。もう、悪夢は出尽くした。ということで、フェッテル+フェラーリの巻き返しに注目。
その一方で、フェッテルは、ハミルトン逆転も狙いたいけれど、3番手のバルテリ・ボッタスに2位の座を狙われていることも覚えておかなければならない。
日本GP終了時点のトップ6は、以下の通り。
1. ハミルトン+メルセデス 306
2. フェッテル+フェラーリ 247
3. ボッタス+メルセデス 234
4. リカルド+レッドブル 192
5. ライコネン+フェラーリ 148
6. フェルスタッペン+レッドブル 111
トップから10位までに、25、18、15、12、10、8、6、4、2、1が与えられる。残り4戦で全勝すれば100点。その意味で、ハミルトンのタイトルが決まったわけではない。
◆マクラーレン・ホンダの残り4戦
今年一杯で離婚が決まったマクラーレンとホンダ。ホンダが上向き始めたのになぜマクラーレンは別れるのかが不思議だが、実はシーズン開始早々に別れることを決めていた、という説も。
それぞれにそれぞれの思惑があるのだろうけれど、少なくとも、昇り調子のホンダを見る限り、別れることにメリットがあるとは思えない。さらには、契約したのがルノー、というところも不可解。元々、メルセデスではワークスに優先権があるから、ナンバーワンエンジンがほしいというのがホンダに鞍替えした理由だったはず。それがルノー本体、レッドブルに次ぐ3番目になるというのだから理解に苦しむところだ。
ともあれ、来年は来年として、今年の残り4戦、調子を上げているホンダのパワーユニットで、マクラーレン・ホンダがどんな戦いをするか気になるところだ。
ただし、マクラーレンとて来年の敵に塩を送りたくないだろうが、ホンダの長谷川祐介F1プロジェクト総責任者は、「今年は来年を分けて考えてはいない」と、テクノロジーの先行投入をせずに、今年のデータを確実に収拾していく構えだ。
どちらにしても、離婚が決まった後、仲よくなったという例もある。マクラーレン・ホンダの残り4戦が、同じようなことになりそうな予感。
◆ピンクの内輪もめ
フォースインディアの二人は、どのレースでも近くを走っている。同じマシンで腕を比較されることから、“最大のライバルはチームメイト”とも言われ、その最たるサンプルを今年のセルジオ・ペレスとエステバン・オコンが身をもって示している。
スパ-フランコルシャンのオールージュ手前のリスキーな場所で接触した二人は、始末書、を書いてはいないけれど、“もう二度としません”と誓いの言葉を述べた。ペレス82、オコン65という微妙なポイントも、二人の戦いを面白くしている。
◆ピエール・ガスリーの代役のブレンダン・ハートレーはどこまでやるか
アメリカGPに限れば、ピエール・ガスリーに代わってトロロッソに乗るブレンダン・ハートレーのF1デビューも気になるところだ。
ハートレーにステアリングを譲ったピエール・ガスリーが、2ヒートで注目される鈴鹿のスーパーフォーミュラで、どんな戦いを展開するか、これも注目しておきたい。
勝手な想像力がレースをも面白くする。想像力をたくましくして、週末に備えよう!!
22日は、選挙も忘れずに!!
[STINGER]/山口正己
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