一富士二鷹三ベルガー?!–カウントダウン企画 2018F1GP開幕まであと84日
(85からつづく)
F1が楽しみになる、あんな話、こんな話。
ちょっと早めの初夢を見た。
メルセデスにはニキ・ラウダがいる。ルノーはアラン・プロストを迎えている。
同じように、マツダがルマン24時間に勝った時に、ジャッキー・イクスがアドバイザーのポジションにいた。彼らは何をしているのか。レジェンドドライバーとして、単に名前を貸しているだけではなさそうだ。
チーム全体を見渡して、ウィークポイントをなくすアドバイスを行なっているが、大切なのは、チーム内に異変があったときの判断。プロフェッショナルな集団のF1チームでも、判断に迷う局面はある。そんなときに、彼らがアドバイスが効果を発揮する。それは、彼らが常に正しい判断をするというよりも、“どちらか選ぶ”ことだ。その選択に信頼性があるかどうかが肝心になる。
レジェンドドライバーとして経験豊富な彼らのアドバイスなら、チーム全員が聞き入れやすい。チームは統率がとれ、勝利の確率が高くなる。
もうひとつ、対外的な発言力をチームが持てる。イメージ的な存在として、これも重要な役目だ。
自動車レースに限らず、高度な闘いになればなるほど、名のある、つまり戦得力のあるアドバイザーの存在は必須だ。
さて、トロロッソとホンダがジョイントする。ホンダの現場責任者が田辺豊治エンジニアになる。田辺エンジニアは、1990年代のマクラーレン・ホンダ時代に、ゲルハルト・ベルガーのエンジニアだった。
ベルガーといえば、トロロッソの親会社であるレッドブルとの関わりが深い。家業のトラック会社の株をレッドブルに売却し、その代償としてトロロッソの株を取得。さらにその株を、レッドブルの総帥であるデイトリッヒ・マティッシに売却した深い関係もある。
「セバスチャン(フェッテル)がトロロッソでイタリアGPに勝った2008年がその頃。マティッシも、先日サクラを訪問したヘルムート(マルコ)も、仲間だよ」とベルガーは、2017スーパーGT最終戦のツインリンクもてぎでデモランを行なったDTMのチェアマンとして来日した時にコメントした。
ホンダ→田辺→トロロッソ→ベルガー。
ゲルハルト・ベルガーが、トロロッソ・ホンダのアドバイザーに就任しても、なんの不自然さもない。いや、むしろ、しない方が不自然なくらいだ。問題は、DTMのチェアマンという役職だが、それを吹っ飛ばして、ホンダがベルガーのクビを縦に振らせてほしい。
夢の中でベルガーの注文は、「その前に、ホンダがDTMに参戦することだよ」だった。
(83に続く)
[STINGER]山口正己
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