『弁別反応』?–カウントダウン企画 2018F1GP開幕まであと68日
(69日からつづく)
新シーズンに向けてハートチューニング!!
ある動作中に別の動作が必要になることがある。例えば、先が見えないコーナーのアウト側から遅いクルマを追い越したところに現れた別の遅いクルマを交わすような場合。瞬時に判断して敏速に対処しなければならない。このときに必要になるのが弁別反応だ。
デジタル大辞泉によると、
べん‐べつ【弁別/×辨別】
物事の違いをはっきりと見分けること。識別。
弁別反応は、反射神経よりもう一段複雑な状況に対応する能力。例えば、熱いものに触った時に瞬間的に手を引っ込めるのは反射神経だが、弁別反応は、二つ以上の現象の組み合わせに反応するための能力ということ。
オリンピックのバレーボール選手は、弁別反応が優れている二十日鼠と同じくらい優秀らしい。壁に向って全速力で走らせ、壁のライトが緑なら左、青なら右に避けさせる。弁別反応が優れている選手は、壁ギリギリでライトが点灯しても正しく反応して正確な動作ができるが、頭の悪い選手は、かなり遠くても壁にぶつかってしまう。
要するに、レーシングドライバーに最も必要な能力が弁別反応。もし、弁別反応選手権があれば、世界各国のナショナルチャンピオンが集まっているF1ドライバーが上位を独占するかもしれない。
(67日につづく)
[STINGER]山口正己
photo by STINGER/Red Bull Racing / Getty Images/Red Bull Content Pool