テスト最終日に注目せよ!!—-カウントダウン企画 2018F1GP開幕まであと16日
新シーズンに向けて鼓動が高まる!!
(17日からつづく)
今日でプレシーズンテストが8日間のスケジュールを終了する。最終日の各チームの動きが気になるところだが、さて、テストの目的は、ニューマシンの確認だけではない、ということに注目してみたい。
まず、テストプログラムは、新車のシェイクダウンから始まる。シェイクダウンとは、直訳すれば”揺すって落とす”。要するに、新設計のマシンのどこかに不具合がないかを確認する作業。そいつが真っ先に行われる。
同時に、ドライバーはもちろん、メカニックなど、直接マシンに触れるメンバーが、新車となじんでおくことも重要課題のひとつだが、さらに大切なのは、他チームへの牽制(けんせい)も含めた作戦だ。
いや、他チームだけではない。場合によっては、契約前のスポンサーに対するメッセージも含まれる。今年の場合、早々にハイパーソフトを履いて出撃させるマクラーレンが、この”手法”をとっていそうだと勘繰りたくなった。
逆のパターンが、メルセデスだ。パフォーマンスランをあまり積極的に行わないのは、自信の現れか。レースセットに集中すれば、実際にシーズンが始まったときに余裕がもてるだけでなく、その不気味な行動がライバルたちに見えないプレッシャーをかけることができる。
要するに、まずは信頼性の高いマシンが必要だが、その上で、”相手がどう考えるか”を想定した走行ができるかどうか。
勝手に解釈すると、今年のトロロッソ・ホンダ、タイムの出し方がなかなか余裕を感じさせる。序盤はおとなしくしておいて最後にサクッと好タイム。これはファンをやきもきさせるだけでなく、ライバル、ここではもちろんマクラーレン陣営に、完熟していない酸っぱい“パパイヤ”を渡しているように見えなくもない。
ともあれ、最後の1日、各チームのプログラムの進行具合が気になってきた。
STINGER 山口正己
Photo by Red Bull Toro Rosso HONDA