トロロッソ・ホンダ最多ラップの意味—-カウントダウン企画 2018F1GP開幕まであと14日
新シーズンに向けて鼓動が高まる!!
(15日からつづく)
バルセロナF1合同テストは、8日間の日程を終えた。去年まで走れなかった、という鬱憤を晴らしてくれたのがトロロッソ・ホンダだ。
去年、起死回生を狙って望んだはずのプレシーズンテストで、マクラーレン・ホンダはトラブルに追われつづけたが、今回は8日間で、10チーム中最多(※最多ラップはメルセデス。2番手がフェラーリでトロロッソ・ホンダは3番手)の821周をこなした。
カタルニア・サーキットは1周4.655kmだから、ピエール・ガスリーとブレンダン・ハートレイの二人で3800km以上を走ったことになる。ダメだった去年に比べて喜んでいる場合ではないけれど、周回を重ねられたことは間違いなくいいことだ。
まず、完走してこそ意味がある決勝レースを走りきれる可能性が高い、ということ。そして、もうひとつ、走れば走るほど、高くなるトラブルの可能性をクリアすることで、チームの中に安心感が生まれる。これは、車体側とパワーユニット側の信頼関係を構築するのに役に立つ。
そもそも、トロロッソとホンダは、この点で最初からお互いをリスペクトしてジョイントした経緯があり、それが最多ラップという実績でさらに強固なものになった。去年のマクラーレンとの関係が、マクラーレンからのあら探しが目立っていたのと、反対の状況だ。どちらがいいか言うまでもない。
そうした関係で想像できるのは、開発が効率的に進むだろうということだ。マイレージを稼げたトロロッソ・ホンダは、まずは着実にスタート地点の地面を力強く蹴りだすことができた。
あとは、トップ争いに向けてよじ登っていくことだが、目指す山が、まだまだ幾つもの峠の先にあることも忘れてはならない。間違いないのは、遠いけれど山のいただきが見えるところに来たことだ。
シーズンの開幕が本当に楽しみになってきた。
STINGER 山口正己
Photo by Red Bull Toro Rosso HONDA