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バーレーンで光った3人–フェッテル/ガスリー/エリクソン

久々に胸の透くレースが展開した。この状況は、今後も続きそうだ。

バーレーンGPは、面白いレースだった。トップ争いが最後までどちらに転ぶか分からなかった。レースを盛り上げたのはトップ争いだけではなかった。開幕戦で泥沼につかまっていたトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーの光る4位も心拍数を上げてくれたし、2016年から入賞に見放されていたマーカス・エリクソンの3人の活躍も、レースを活気づける名脇役を演じた。

◆セバスチャン・フェッテル(メルセデス)
終盤、タイヤの違いでボッタス+メルセデスに抜かれるのは時間の問題、と思われていたが、違った。粘り腰とタイヤを労るドライビングが見事。

フェッテル+フェラーリは、18周目に、スーパソフトからソフトに交換。追う2位のボッタス+メルセデスは、20周目にスーパソフトからミディアムに交換していた。タイヤが磨耗した終盤の状況は、フェッテル+フェラーリが不利だったことから、抜かれてしまうと思われたが、フェッテルは踏ん張った。トップ争いを手に汗握る緊迫したものにしたのは、セバスチャン・フェッテルの、タイヤを労りつつボッタス+メルセデスに付け入る隙を与えないドライビングの巧さは、まさに横綱相撲。セバスチャン・フェッテルを見直した。

◆ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
スタートでリカルド+レッドブルをパスした。直ぐに抜き返されたものの、非力なはずのトロロッソと三強の一角レッドブルであることを考えると、上出来の滑り出しだった。

その後、15周目にスーパソフトからソフトに交換、34周目にスーパーソフトの新品に換えた。レース前のピレリの見立てでは、2ストップが最も効率的と読まれていて、多くのドライバーが2ストップ作戦を採用。ガスリーもそのひとりだったが、交換のタイミングが、見事であり、さらに、「磨耗しても安定して走れた」とガスリーがコメントしたように、マシンの安定性と、チームの作戦とピット作業、そしてもちろん、ガスリーのノーミスの走りがトロロッソ・ホンダを4位に押し上げた。

開幕戦のていたらくがうそのようなトロロッソ・ホンダ。次の中国でも、チームとドライバーの能力は、同じような展開を期待させている。

◆マーカス・エリクソン(ザウバー)
ピエール・ガスリーの4位を金星と呼ぶなら、殊勲賞はマーカス・エリクソンだ。常に最下位のザウバーで、9位は、ある意味驚きでもあった。

ソフトでスタートしたエリクソン+ザウバーは、23周目にミディアムタイヤに交換、トップ3と同じ1ストップでレースを走りきった。

 

全日本F3チャンピオンとしてF1まで登りつめたが、いいところがなかったエリクソンが、初めて輝いたレースとしても、2018年第2戦バーレーンGPは記憶されることになった。

[STINGER]山口正己
Photo by Ferrari S.p.A

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