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ポルシェ、ちょっとずるい?!–WEC919がF1超え!!

スパ-フランコルシャンのフルアタック手かの919ハイブリッドEvo。

919ハイブリッドのEvoバージョンがスパのコースレコードを樹立した。

4月9日、オールージュで名高いベルギーGPの舞台である全長7.004kmスパ-フランコルシャンを、ポルシェのワークスドライバー、ニール・ジャニが1分41秒770で周回した。このタイムは、2017年のベルギーGPでルイス・ハミルトンのメルセデスW07ハイブリッドが記録したポールポジションの1分42秒553を0.783秒短縮するものだった。

ジャニは、10時23分にスタートしたホットラップで、最高速度359 km/h、平均速度245.61 km/hをマーク。気温は11°C、トラック温度は13°Cだった。

しかし、ポルシェ、ちょっとずるい。

昨年、同じコースで行なわれたWECのスパ-フランコルシャン6時間でのコースレコードより12秒速いこのタイムは、レギュレーションをまったく無視してタイムアタック用に作ったマシンで、ミシュランも乗り気で作った新コンパウンドのスペシャルタイヤを装着してのものだった。

LMP1担当副社長フリッツ・エンツィンガーは、「本当に素晴らしいラップでした。ニールのドライバーとしての実に優れた才能と、偉大なエンジニアリングの技術が合わさった結果です。私たちの目標は、レギュレーションによって課せられている制限がなくなったとき、現代で最も革新的なレーシングカーの究極のパフォーマンスを圧倒的な形で証明しました。」とコメントしている。

同じ条件をF1に与えたとしたら、最低重量を減らし、さらには燃料流量制限を廃止して、1000馬力を軽くオーバーするパワーユニットにすることが可能。さらに、空力デバイスを装着することでむき出しのタイヤ4本をカバーすれば、最高速が上がってさらにタイムアップするはずだ。

それ以前に、今年のスパ-フランコルシャンでのベルギーGPの予選がドライになれば、ポールポジションは1分40秒を切ることになりそうなので、ポルシェ919 HYBRIDのコースレコードは4カ月の短命になるはずだ。

このレコードの“秘訣”は、オールージュから先のスパ-フランコルシャンのバックストレッチの長さが貢献しているはずだ。WECマシンは、タイヤをむき出しにしたF1と違ってフルカウル。ストレートでの空気抵抗は比較にならないほど小さいからだ。

しかし、ずるいやり方ではあっても、そこに向けて徹底した“チューニング”が施された。このポルシェの本気度が凄い。

919ハイブリッドEvo(アタック用マシンはそう呼ばれる。名前をつけてしまう遊び感覚もgood)は、1ラップあたりのガソリン使用量の制限の1.784 km/2.464 リッターを取り払い、通常のレース用の燃料(20%のバイオエタノールを含むE20)を使用した状態でのV4エンジンは720 PSを発生している。

2017年のWECスパ戦で使用することができた2つの回生システムによるエネルギー量は6.37メガジュールだったが、システムのポテンシャルをはるかに下回るこのエネルギーを、8.49メガジュールまで高め、回生エネルギーの出力は、10パーセント増しの440 PS。

また、Evoのアンダーフロアでは、固定式のサイドスカートと回転式ベーンとフロアが最適化され、2017年WECスパ戦の予選との比較で、ダウンフォースが53%増大、効率が66%向上している。

加えて、4輪にブレーキバイワイヤーシステムを装備し、さらなるヨーコントロールを可能にした。また、負荷の増大に対応できるようにパワーステアリングに変更を加え、より強力なサスペンションウィッシュボーンを前後に組み込まれている。

軽量化のために、エアコン、ワイパー、複数のセンサー、制御用の電子機器、ライト関係、空気圧ジャッキなど、1周を走るのに必要ないものは総て取り除かれ、乾燥重量は39 kg減の849 kgとされた。

いずれにしても、この一見無意味なアタックを、ポルシェがある意味総力を上げて、ミシュランやスパ-フランコルシャンのコース関係者を巻き込んで実現したことはポルシェやドイツのモーターレーシングに対する造詣の深さを感じさせて脱帽。

ちなみに、スパでのレコードラップは、“引退”する「919トリビュートツアー」の最初のイベントという。次回のイベントは、5月12日に開催されるニュルブルクリンク24時間レースのスタート前に行われる伝説の北コースにおけるデモラップになる。その後、グッドウッド・スピードフェスティバル(7月12~15日)とブランズハッチのポルシェフェスティバル(9月2日)で走行し、さらにカリフォルニアのラグナ・セカで9月26~29日に開催されるポルシェ レンシュポルト・リユニオンに参加する予定。

WECを撤退するポルシェだが、そのマインドに改めて拍手を贈りたい。

[STINGER]山口正己
photo by PORSCH


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