タイヤに厳しい上海サーキットでトロロッソ・ホンダに光?
中国GPの会場の上海サーキットは、上海の「上」の字をかたどってレイアウトされたが、「上」の頂点部分が実は悩ましい。左前輪に大きな負荷がかかるからだ。
右回りのコースはもとも右前輪への負担が大きくなるが、それに加えて、深く回り込んで下っている1 ~2コーナーが曲者。メインストレートで冷やされた左フロントタイヤに大きな負担がのしかかる。長いバックストレッチの後のヘアピンも、左前輪に試練を与える。
今年、ピレリが用意したタイヤは、硬い方から、スーパーハード、ハード、ミディアム、ソフト、スーパーソフト、ウルトラソフト、ハイパーソフトと、ドライだけで7種類になった。この中から、コースに合わせた3種類をピレリが指定して各チームに供給するが、去年より2種類増えたことで、それぞれのコンパウンドの差が縮まったと考えられる。つまり、それだけ、選択が難しくなった、ということだ。
中国で供給されるのは、中間的な、ウルトラソフト、ソフト、ミディアムの3種類で、これは、バーレーンとまったく同じ種類。バーレーンでは高温が課題だったが、中国では、20度ほどと予測される気温の中で、コースレイアウトがタイヤへの負荷が気にな気になってくる。
レースでは2種類を使わなければならないが、タイヤの傷み方を考えて、各チームがどんな戦略をとるのか注目されるが、期待したいのが、トロロッソ・ホンダのドライバーが二人とも、STR13は“タイヤへの負担が少ない”とコメントしているところ。この辺りを中心に、レース終盤に、面白い展開になるかもしれない。
その前に、まずは予選がどうなるのか。楽しみはそこから。
[STINGER]山口正己
Photo by Pirelli & C. S.p.A. – Pirelli Tyre S.p.A