シリーズ・バーチャルセーフティ・カー :その18・紙からプラスチック、そして認証ゲートへ–F1パスの変遷
うんちくがF1を楽しくする?!
日本に初めてF1がやってきたのは1976年それから40年以上が経過していますが、その間、F1GPは別世界のように様変わりしまた。マシンやドライバーの出で立ちはもちろん、細部の変化もなかなか面白いものがあります。そのひとつが、パドックエリアへの入場制限をするクレデンシャル・カード、いわゆるパスも大きく変化しました。
1976年のパスは、当然というか紙製で、顔写真付きで識別できるようになっていました。その後、紙の時代は20年ほど続き、1996年には紙からプラスチックに“進化します。
翌1997年、プラスチック製のパスの裏側に所有者の顔写真が表示されるようになりますが、それから10年後にさらに大きな変化が起きたした。カードに認証コードが埋め込まれ、ゲートを通過すると、“ピピポ”という認証音と共に登録された顔写真がゲートのモニターに映し出されるようになり、本人以外は、通過できない形になったのです。
ただし、チームのゲストは、臨機応変に対応するために、顔写真がついていないVIPパスも用意されていますが、基本的に管理が進んで、チョンボができないようになり、それに伴ってF1のパドックの価値が高くなっていきました。
近い将来には、物理的なパスを持たずに、人体認証による形になるかもしれません。ただし、区別することによって、選ばれたパスホルダーに特権意識を与えることは、F1が根付いている階級社会を地で行くヨーロッパでは、非常に重要なシステムともいえそうですが、リバティ・メディアはアメリカ。もしかして、違う方向に進むのかもしれません。
[STINGER]山口正己
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