シリーズ・バーチャルセーフティカー :その21・F1のポイントのバーゲンセール?!
現在、F1のポイントは、1位から10位までに与えられます。このポイントになったのは2010年と意外と新しいのですが、そうなったのには理由がありそうです。
1950年にF1GPが始まった時の配点は、1位から6位に、8、6、4、3、2、1。優勝は、1961年に9点、1991年に10点になりますが、いずれ、6位までというのがF1のポイントとして定着していました。
変化が起きたのは2003年。得点が8位までに広げられたのですが、どうして広がったのか。
これには、予算の高騰が影響しています。21世紀になった辺りから、たばこ→IT企業とたどってきたスポンサーが自動車メーカーに依存するようになりました。自動車メーカーは、莫大な予算がかかるF1参戦の敷居が高くなったF1にとってなくてはならない存在になったのです。
自動車メーカーにとって、入賞が広がれば、報告書に『入賞』というフレーズを使う機会が増え、宣伝広告の場面でも、『入賞』を有効に使えます。
6位から8位に入賞が広がったのは、2003年。2002年に参戦を開始したトヨタは、2003年にダ・マッタとパニスの二人で都合7回入賞していますが、もし入賞が6位のままだったら、2003年のトヨタの入賞は3回に激減。つまり、大切な“お客様”である自動車メーカーに対するある意味でのサービスだったというわけです。
ただし、メーカーをつなぎ止めるために、その後10位までに広がった入賞は、F1GPの格調を落とすバーゲンセールになってしまったという嘆きの声も聞こえたり。
[STINGER]山口正己
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