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シリーズVSC :その34・ルマンはなぜ6月中旬に開催されるのか

今年も壮大な暇つぶしのイベントが始まりました。

他愛ないことにこそ、面白さが潜んでいる?!

今週は、ルマン24時間が行なわれます。月曜日今日から車検が始まり、水曜日と木曜日に予選、金曜日に市内でドライバーズパレードが行なわれ、土曜日の午後にスタートするのがルマン24時間の習わしです。

通常のレースのスケジュールは、土日。F1なら金曜日からの週末3日間のスケジュールですが、ルマンは特別。以前は、4月にテストデイが設けられ、最後の仕上げ的に、月曜日からの1週間のスケジュールで決勝レースを迎えました。今はテストデーが前週になりましたが、いずれにしても長い。

なぜ、こんなに長い時間をかけるかといえば、それは、ルマンが6月中旬に行なわれることに関連しています。ルマンの時期は夏至、つまり、1年間で一番、日が長いところ。そして、フランスの場合、日本と違って夜10時くらいまでは夕方のように明るい。つまり、1年間のうちで夏至の頃は、日長をどうやって過ごすかが重要なテーマになります。そう、ルマンは、たっぷりと1週間かけた壮大な暇つぶし行事なのです!!

1923年にそんな理由(たぶん)で始まったルマンは、いまやフランスになくてはならないお祭りとして定着し、世界に名を轟かせ、世界各国から注目を集める伝統イベントになりました。

夜10時でこの明るさ。

結果として、ルマン24時間という耐久レースの厳しい舞台で、切れないランプや、パンクせずに長持ちするタイヤが開発され、クルマ社会に多大な貢献をしています。単に優勝するためだけではなく、そうした歴史をリスペクトして場に対する貢献が、だから必要なのです。お祭りを盛り上げる、という大切な役割に、日本のメーカーも気がついて、壮大な暇つぶしイベントに貢献してほしいと思わずにはいられません。

[STINGER]山口正己
Photo by ACO / STINGER

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