連発したアクシデント-–F1イギリスGPハイライト
イギリスGPは、高速シルバーストンでスペクタクルに展開したが、ハイスピードバトルには犠牲者も出た。
今回、リタイアが6台出たが、そのうち、スタートできなかったハートレー+トロロッソと、ギヤボックストラブルのフェルスタッペン+レッドブルを除く4台が消えたのは、高速コース故のクラッシュが原因だった。
さらにこじつければ、ハートレーはもともと高速でのクラッシュが尾を引いて出走をあきらめており、フェルスタッペンのトラブルも、高速でストレスがかかった結果といえなくもない。
つまり、シルバーストンが高速なだけに、リスクが高いコースであることが改めて浮き彫りになったということだ。
その逆に、終盤のフェッテル+フェラーリとボッタス+メルセデスのトップ争いを頂点に、高速だからこそ手に汗握る場面が数多く見られたが、週末通してのクラッシュの原因のいくつかは、“DRSの閉め忘れもしくは閉め後れ”だったのが気になった。
本来、DRS(ドラッグ・リダクション・システム)は、追い越しの時に使うものだが、DRSを、フリー走行や予選時にダウンフォースの調整で指定エリアに限り自由に使えているのは、決勝でDRSを作動させたときの感覚を“練習する”ためかもしれないが、フリー走行でグロジャン+ハースが、全開で進入するコーナーで、DRSが開いたままでアプローチし、ダウンフォースが足らずにコースアウトを喫している。グロジャンが悪いというのは簡単だが、そもそもDRSを使えることじたい、“空力付加物は動いていならない”という不文律からはずれているのは気になるところ。
[STINGER]山口正己
Photo by Haas F1 Team