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タイヤが18インチになると何が起きる?!

フォーミュラE用の18インチ。フォーミュラEの経験はF1の役に立つのか?

2021年からF1のタイヤが18インチになるかもしれないと言われている。現在の13インチから18インチになると、想像以上に違いがでそうだ。

◆強度
サイドウォールが低くなることで、タイヤの踏ん張りが効くようになり、同じ幅ならグリップが向上する。そのエネルギーを受け持つ分だけ、ホイールの強度を上げなければならない。

現在のF1用ホイールは、マグネシウム合金で、4本セットでざっと100万円。年間300セット使うとして3億円がホイール代、さらに開発費を入れると1チームで3~4億円がかかるといわれるが、サイズアップすると、単に大きくなるだけでは済まない苦労がホイールメーカーにかかることになるだろう。

◆重量
ホイールが大きくなると、間違いなく重くなる。正確な数値は定かではないが、大きくなった分だけ強度を上げる必要がある。フォーミュラEはスタート時から18インチを使っているが、出力的にF1より要求が低く、幅も狭く、タイヤが市販のスポーツタイヤでグリップも低いために問題になっていないが、出力も高くスピードも速いF1用は、一筋縄にはいかないはずだ。

◆一般的イメージ
18インチになるとミシュランが復帰するかもしれないと言われている。現状の13インチは、市販車では軽自動車でも使わないサイズであり、イメージ戦略的な見地から、18インチなら供給の価値が見出せる、というのがその理由だ。18インチの方がより一般的で、社会性の意味からも歓迎されるはずだが、強度と重量などのデメリットをカバーするためには、いくつもの難関があり、そう簡単には参戦できない?

◆テザーの強度アップ
重くなると、バネ下重量が増加してサスペンションに対する考え方も大きく変化する。さらに、重量が増すことで、アクシデントでタイヤが飛んで二次的なアクシデントを防ぐため、もぎ取れないようにケブラー繊維でつなぎ止めているテザーの強度も、当然、上げる必要がある。

◆空気圧
現状の13インチタイヤの空気圧は、1.2kg/㎠辺りだが、18インチになると、タイヤに入る空気の量が減り、その分、エネルギーを吸収するために多くの空気を入れる必要が出てくる。空気圧は概ね、1.5~1.6kg/㎠辺りが予測されるが、そうなると、サイドウォールが低くなってたわみが少なくなることに合わせて、タイヤが吸収できるエネルギーが減り、要はサスペンションが硬くなる方向になることで、傾向として、神経質でピーキーなフィーリングのタイヤになるはずだ。

一方、ピレリの契約は2019年一杯、18インチは2021年からなので、その間に13インチの1年が挟まっている。まずは2020年のタイヤについて、リバティメディアは供給元を確保しなければならない。

[STINGER]大和 空/Sora Yamato
photo by [STINGER]

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